【来週の注目材料】米物価統計への注目集まる=米PCE価格指数 16、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場予想通り政策金利を3.50-3.75%で据え置きました。注目された最新の経済見通し(SEP)では、2026年末時点での経済成長見通しの下方修正、失業率見通しの小幅改善、物価見通しの大幅上方修正が示されました。また注目度の高いドットチャートでは2026年末時点で18名(ウォーシュ議長はドットチャートで見通しを示さず)中、半数の9名が利上げ見通しを示し、そのうち5名は複数回の利上げ見通しを示しました。市場では年内据え置きが大勢になるとみられていたため、予想よりもタカ派という印象になりました。声明は従来の方式から簡素化され、フォワードガイダンスが省かれました。ウォーシュ議長の会見では、ドットチャートでも見られた雇用に対する楽観的な姿勢が見られる一方、物価の安定への姿勢を強調。市場は利上げ期待を強める展開となっています。 次回7月のFOMCでの利上げ見通しは少数派となっていますが、9月までには利上げを行うとの期待が高まりつつあります。そうした中、利上げ決定のカギを握る物価の動向に注目が集まります。25日にインフレターゲットの対象であるPCE価格指数が発表されます。 10日に発表された5月の消費者物価指数(CPI)は前年比+4.2%、食品とエネルギーを除いたコア前年比は+2.9%と、市場予想通りながら4月から伸びています。前年比の伸びは2023年4月以来の高水準です。前月比は総合が予想通りとなったものの、コアが予想を下回る伸びになりました。11日に発表された5月の生産者物価指数は前年比+6.5%と予想を上回り、2022年11月以来の高い伸びとなりました。4月分は速報の+6.0%から+5.7%に下方修正となりました。コア前年比は+4.9%と予想の+5.4%を下回り、4月と同水準(速報の+5.2%から+4.9%に下方修正)となっています。 CPIはガソリンが前年比+40.5%の大きな伸びとなり、全体を押し上げています。コア項目では財部門が+1.1%で4月と同水準でしたが、サービスが+3.4%と4月を超える伸びとなりました。CPI全体の35.6%、コアサービスの58.6%を占める大きな項目である住居費が4月から伸びたことで全体を支えています。 こうした状況を受けて、PCE価格指数は前年比+4.1%、コアPCE前年比+3.4%が見込まれています。CPIとPCEは計測方法、対象、全体に占めるウェイトなどいろいろと違いはありますが、家計部門での価格変化を調べるという基本的なコンセプトが同じであるため、水準はともかく変化傾向は似ており、CPIが伸びている以上ある程度伸びてくることが見込まれます。 また、PPIのうちPCEの算出に利用される部分をみると、ポートフォリオ管理費が+23.3%と高い伸び、入院費、ホスピスケアなど医療関係も高い伸びとなっています。航空運賃は前月比でマイナスとなりましたが、前年比では昨年4月から5月にかけての落ち込みが大きかったこともあり、+17.8%と4月以上に伸びています。 こうしたことから市場予想前後の伸びが十分に期待できるところです。CPIに比べて全体に占めるウェイトの大きい医療関係の伸びがCPI、PPIともに大きいこともあって、予想を超える伸びとなる可能性もあります。 米国の物価上昇が印象付けられると、米国の早期利上げ期待が強まり、年内複数回利上げの期待も高まる形でドル高になる可能性があります。 なお、物価関連では26日8時半に6月の東京都区部消費者物価指数(CPI)の発表があります。先週19日に5月分が発表された全国CPIの先行指標となる同指標。市場予想は前年比+1.6%と5月の+1.3%から伸びが強まる見込みとなっています。東京都が昨年9月から実施している第1子の保育料無償化などの影響で水準的には全国CPIよりも低く出ますが、傾向は大きく変わらないことを考えると、予想通りもしくはそれ以上の物価の伸び加速は、年内の追加利上げ実施などへの期待につながる可能性があります。予想からの乖離が見られるようだと、こちらも注意が必要です。 MINKABUPRESS 山岡
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