【来週の注目材料】米雇用統計 好調さを維持できるか

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 2日木曜日に6月の米雇用統計が発表されます。3日金曜日が米独立記念日の振替休日となるため、通常の金曜日ではなく木曜日となる点はご注意ください。

 前回5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+17.2万人と、市場予想の+8.8万人を大きく上回る伸びとなりました。4月及び3月の数字も大きく上方修正される力強いものとなりました。内訳をみるとトランプ政権下での連邦政府職員の整理を受けて昨年後半から今年初めまでマイナスが目立った政府部門が+5.2万人としっかりした伸びとなりました。2024年6月以来の伸びです。民間部門は+12.0万人と4月の+17.7万人からは鈍化したものの力強い伸びを維持しています。民間の財部門はAIデータセンターの建設ラッシュなどを受けて、建設部門が+1.7万人と好調で財部門全体でも+2.8万人となりました。民間サービス部門は構造的な人手不足を抱える介護部門などを擁する医療・社会扶助部門が+4.72万人と力強さを維持。6月開催の北米ワールドカップを前に、飲食が+4.8万人、宿泊が+1.06万人、芸術・スポーツ・娯楽が+1.17万人と伸びており、レジャー&ホスピタリティ全体で+7.0万人となりました。一方、景気に敏感な小売業が-1.1万人、運輸・倉庫が+0.6万人などと冴えず、金融も-2.2万人と減少が見られるなど、一部で弱さが見られています。

 続いて関連指標です。
週間ベースの新規失業保険申請件数は雇用統計の基準日である12日を含んだ週の比較で、5月が21.0万件、6月が22.6万件となっており、6月がやや弱い結果です。

その他の指標はこれからの発表。
30日23時に発表される6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は、予想が94.2と5月の93.1から小幅に改善見込みです。前回5月分の内訳のうち雇用部門は職が豊富にあるとの回答が4月から低下したものの、職を見つけるのが困難であるとの回答も低下しており、注目される両者の差は小幅な縮小となりました。

同時刻に発表される5月の雇用動態調査(JOLTS)は求人件数の予想が736万件と、4月の761.8万件から減少見込みです。もっとも4月分が市場予想の686.6万件、3月の688.7万件から一気に増加し、2024年3月以来2年超ぶりの高水準となっており、強すぎた反動と、3月までの水準との比較を考えるとまずまずの水準見込みと言えます。雇用市場の流動性などに関連して注目される自発的離職率が4月は1.9%と3月から低下し、自発的離職者は297.7万人と2020年8月以来の低水準となっていましたので、5月の同数字にも注目です。

1日21時15分の6月ADP全米雇用レポートは、非農業雇用者数の予想が前月比+11.0万人と5月の+12.2万人から小幅に鈍化見込みも、水準的にはまずまずの予想です。
同日23時の6月ISM製造業景気指数は53.8と5月の54.0から鈍化見込みです。もっともこちらも5月が強すぎた感があります。5月の市場予想は53.0、4月は52.7となっており、54.0は市場予想を超えて2022年5月以来4年ぶりの高水準でした。イラン情勢への警戒感が高い時期でしたが、AI関連投資ブームなどが支えとなっているとみられ、新規受注が4月の54.1から56.8まで上昇するなど好調でした。雇用部門は48.6と好悪判断の境となる50.0を下回っての推移が続いていますが、4月の46.4からは改善しています。このあたりの内訳も注目となります。なおISM非製造業景気指数は7月6日の発表で雇用統計後となります。

 こうした状況を受けた今回の予想ですが、非農業部門雇用者数は13.0万人と、5月の17.2万人、4月の+17.9万人、3月の+21.4万人を下回る伸びとなる見込みです。失業率は4.3%で5月と同水準の見込み。平均時給は前月比+0.3%と5月と同水準、前年比+3.5%と5月の+3.4%から小幅に伸びる見込みです。
 非農業部門雇用者数の伸び鈍化に関しては、ダラス連銀の算出するブレークイーブン雇用者数(失業率を悪化させないために必要な雇用者数)の+3.0万人前後をしっかりと上回っており、水準的にはまずまずという印象です。関連指標のまずまず感もあり、予想前後の数字が出てくると、米雇用市場の安定した状況への期待が広がるとみています。

MINKABUPRESS 山岡

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