【これからの見通し】ドル円は108円台前半で売買交錯、きょうは欧州委員長人事に注目

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】ドル円は108円台前半で売買交錯、きょうは欧州委員長人事に注目

 ドル円は108円台前半で売買が交錯している。昨日の米株式市場ではS&P500指数が最高値を更新した。リスク動向はG20後は良好だ。ただ、取引後半にかけて利益確定に押され、上げ幅を縮小した。きょうは日経平均がプラス圏で推移したが、伸びは欠く動き。ドル円は108円台半ばで何度も上値を抑えられる一方、下値も108円台を維持しており、小康状態になっている。

 一方、ユーロドルやポンドドルは昨日の海外市場で売りが広がった。直接的には欧州各国の製造業PMIや英製造業PMIが弱い結果だったことが売り材料だった。ただ、欧州では次期EU委員長人事でもめており、政治対立が悪材料となった面も指摘されよう。ポンドにとっては引き続き合意なき離脱の警戒感が積極的な買いを手控えさせていた。

 きょうは日本時間午後6時からEU臨時首脳会議が行われ、次期EU委員長人事などの決定を目指す。フランス・ティメルマンス欧州第一副委員長が候補者となっている。しかし、独仏スペインの推薦に対して、イタリアや英国が棄権する構え。ポーランドやハンガリーなどが反対姿勢を示している。めぼしい対立候補がいないまま議論が続く可能性もあり、ユーロ相場にとっては圧迫材料となりそうだ。

 経済指標発表は少なめ。香港小売売上高(5月)、ユーロ圏生産者物価指数(5月)、ブラジル鉱工業生産(5月)などの発表が予定されている。金融当局者の発言では、クノット・オランダ中銀総裁、ロウ豪中銀総裁、カーニー英中銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁などの講演が予定されている。ユーロ、ポンド、ドルと各主要通貨に材料を提供することが期待される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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