【【これからの見通し】リスク動向が落ち着くのを待つ姿勢に、ドル円は108円台上下動 今週はドル円が108円台での上下動となっており、107円台、109円台どちらにも抜け出せない状況となっている。米早期利下げ観測が広がっており、米債利回りの低下がドル売り圧力となる。一方で、香港デモによる地政学リスクの台頭で香港株を中心に株式市場は不安定な展開となっている。米国と中国やメキシコをめぐる動向からも目が離せない状況が続いている。リスク回避の動きで円相場には円高圧力が、クロス円の下落とともにドル相場にはドル高圧力が波及しやすい面がある。 リスク動向の落ち着きがみられなければ、中期的な米利下げ観測に乗った取引戦略も取りにくい状況だ。ここは、リスク動向が落ち着くのを待つ段階といえよう。 きょうは経済指標発表は比較的少ない。スイス中銀政策金利、ユーロ圏鉱工業生産(4月)、米新規失業保険申請件数(8日までの週)、米輸入物価指数(5月)などの発表が予定されている。スイス中銀は金利据え置きで市場のコンセンサスが形成されており、無風で通過しそうだ。ユーロ圏鉱工業生産はマイナスが続く見込み。昨日は5年先から5年間のユーロ圏スワップ金利が過去最低を記録しており、長期的な市場のインフレ期待の低下が示されていた。ユーロ圏の経済指標の弱い動きはこの流れに拍車をかける可能性がある。ただ、興味深いのはブルームバーグの試算によるとイタリア債のパフォーマンスが比較的良いことで日本の投資家が買いやすい状況にあるとの記事があったこと。今週はイタリア債の下落(利回り上昇)は一服している。 米国では、米新規失業保険申請件数(8日までの週)は21.5万件と予想されており、前回の21.8万件からは小幅の変更にとどまる見込み。5月輸入物価指数は前月比+0.2%、前年比+1.2%といずれも低下する見込みとなっており、米債利回りにとっては低下圧力となりそうな予想となっている。また、きょうは米30年債入札(160億ドル)が実施される予定。 英国では英保守党党首選で、下院議員による第1回投票が実施される。現地時間午前10時から投票が行われる。今回は最下位の候補と、17票が得られなかった候補が脱落することとなる。このあとは今月20日まで数回の投票でふるい落としが行われ、最終的には2名の決選投票となる運びになっている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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