ドル円は一時109円台前半まで下落 米国債利回り低下が市場の弱気の虫を呼び起こす=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。ただ、きょうも市場は景気の先行きに対する不透明感を強めており、ドル円は109円台前半まで下落する場面が見られた。

 特段の材料はないものの、米中貿易問題は依然として出口が見えず、米国のファーウェイ制裁に対する中国側の報復も気がかりな状況の中、米国債利回り低下が市場の弱気の虫を呼び起こしているようだ。

 ただ、為替市場はリスク回避のドル買いも同時に見せており、円高・ドル高が相殺しあって、ドル円は急速に下押しする動きまでは見せていない。そのような中、この日の米7年債入札が不調だったことをきっかけに利回りが下げ幅を縮小しており、ドル円も109.70円付近まで買い戻された。

 ユーロドルやポンドドルは下落。きょうも市場は景気の先行きに対する不透明感を強める中、景気悪化となれば英国やユーロ圏の経済のほうが影響が大きく、米国への資金回帰を期待した動きかもしれない。メイ首相の後任選びが活発化している中、合意なき離脱のリスクが高まっている。その場合、英経済はもちろんだが、ユーロ圏経済も打撃を受けると見られている。

 きょうはカナダ中銀の金融政策委員会が開催され、政策金利は予想通り据え置かれた。注目は声明だったが、「現在の金利による緩和状態が適切」と言及していたことからカナダドルは売りの反応を見せた。一部で高まっていた利上げ期待を打ち消す内容となった。カナダ円も80.70円近辺まで急速に下落したが、声明では「第2四半期には景気は上向くという証拠がより多く見受けられる」とも述べており、景気の先行きに自信も示していたことから、売り一巡後は直ぐに買い戻されている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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