リスク回避の円買いが先行、ドル円は109円台を維持=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
リスク回避の円買いが先行、ドル円は109円台を維持=ロンドン為替概況

 29日のロンドン市場は、リスク回避の円買いが先行した。米株先物の下落とともに欧州株も軟調に取引を開始。ジリジリと下げ幅を拡大した。米国が日中を含めて為替監視リストを9か国に増やしたことに中国は反発。中国側からはレアアースの対米禁輸の圧力もかかっている。前日から引き続き各主要国の債券利回りが低下、原油先物も下落。独失業率の上昇、失業者数の増加、仏消費者物価指数の伸び鈍化など経済統計もさえない。ただ、イタリア債の動向は一服している。レーンECB理事は来週の理事会を控えて、来月発表される最新の経済見通し発表後に政策調整について判断可能となろう、と述べた。英国では新たな動きはみられないが、ポンドには引き続き売り圧力がかかっている。ドル円は109円台前半、ユーロ円は121円台後半、ポンド円は一時138円台割れへと下落した。
  
 ドル円は109円台前半での取引。ロンドン序盤に円買いの動きが広がり、109.15近辺まで軟化したが、東京朝方の安値に並ぶ水準で下げ止まった。欧州株や米株先物が下落しているが、109円台は維持しており、109.40近辺へと下げ渋っている。

 ユーロドルは1.11台半ばでの取引。1.1170近辺が重く、1.1150レベルまでじり安の動き。ユーロ円は121.75レベルまで本日安値を広げたあとは、122円台乗せ水準へと買い戻されている。ただ、前日よりは円高水準での取引。ECB金融安定報告では、ユーロ圏の公的機関及び民間のファイナンスリスクは過去半年間で上昇した、と指摘されている。レーンECB理事は来週の理事会を控えて、来月発表される最新の経済見通し発表後に政策調整について判断可能となろう、と述べた。中銀は金融政策の中期、長期的戦略を練り直すべき、物価安定の定義について検討すべき、としており議論が活発化しそうだ。デギンドスECB副総裁は、イタリアの問題は低成長にある、と手厳しい指摘があった。独失業率の上昇、失業者数の増加、仏消費者物価指数の伸び鈍化など経済統計もさえない。ただ、イタリア債の動向は一服している。

 ポンドドルは1.26台前半での取引。東京市場での1.2660近辺での揉み合いを下放れて、ロンドン序盤に1.2627レベルまで安値を広げた。その後は1.2650台まで一時戻したが、上値は重い。ポンド円は138.40近辺から137.88レベルまで下押しされたあとは138円前半に下げ渋っている。対ドルと同様にポンドの戻りは限定的。対ユーロでは0.8820-30レベルでの振幅にとどまっている。ポンド関連の目新しい材料はでていないが、引き続き保守党の次期リーダーをめぐる不透明感が続いている。市場では主役不在の政治状況に、合意なき離脱の可能性が高まっているとの不安の声が広がっている。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明

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