【これからの見通し】小康状態、世界景気鈍化や英政府の行き詰まりは継続も

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】小康状態、世界景気鈍化や英政府の行き詰まりは継続も

 ドル円相場は110円を挟む水準での揉み合い。ドル相場は米債利回りをにらみながらの動き。クロス円は世界的な株式動向をにらみながらの動き。ドル円相場は期末、月末などで基本的に様子見ムード。リスク材料が高まるときには円高圧力が働くが、足元では世界同時株安の動きはひとまず一巡している。

 ドル相場にとっては米債利回り動向がポイント。直近のFOMCでは年内の利上げ見通しがこれまでの2回からゼロに引き下げられた。市場では年後半にかけての利下げを織り込む動きもみられている。きょうは、デーリー・サンフランシスコ連銀総裁がインフレ管理について講演を行う。国内の消費需要、海外からの輸入インフレ圧力、関税の影響、賃金動向などチェックすべき点は多い。

 米経済指標は、住宅建設許可件数(2月)、住宅着工件数(2月)、S&Pケースシラー住宅価格(1月)、コンファレンスボード消費者信頼感指数(3月)などが発表される。消費動向に関連した指標が多い。デーリー総裁講演とともに参照したいところだ。アジア・ロンドン時間には、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁などの講演も予定されている。

 円相場にとってはこのあとの欧州株や米国株の動向が気がかり。日経平均は反発したが、中国株は軟調。リスク動向に改善をもたらすような好材料はみられず、買われたとしても自律反発の域を出ない状況にある。欧州と中国の首脳クラスが会談を行う。いずれも対米貿易交渉に頭を抱える状況にあり、協調姿勢が示されるかどうか。

 また、英EU離脱関連は大詰めを迎える段階にあるが、行き詰まり状態に変わりはない。現状ではメイ政権EU離脱案が議会で承認されるメドは立たず。3月29日が4月12日へとわずかに期限延長したに過ぎない状況。ただ、ポンド相場は新たな展開を求めているもようで、強い動意は見いだせていない。オプション市場でのポンド関連のボラティリティーは短期中心に高水準にあり、スポット市場での値動きに神経質さは続いている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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