株安や原油安で調整ムード、円買い優勢に=ロンドン為替概況 9日のロンドン市場は、円高の動き。欧州株が下落、米株先物も時間外取引で小安い。米債利回りが低下、原油相場も下落。総じて調整ムードが広がっている。為替市場ではユーロやポンドの下げが目立っており、クロス円主導での円高に。ユーロにとってはイタリア予算をめぐるEUとの溝が埋まらないことが、ポンドにとっては、メイ英首相が来週EU側に提出する離脱文書が閣内および閣外協力のDUPに受け入れられるのか不透明感が広がっている。ポンドドルは一時1.30台割れ、ポンド円は148円台割れ。ユーロドルは1.13台前半へ軟化、ユーロ円は一時129円台割れ。ドル円は113円台後半に沈んだ。足元ではNY市場を控えて、円高の動きはやや一服。 ドル円は113円台後半での取引。前日NY終盤からきょう早朝のオセアニア市場にかけての時間帯に114円台に乗せていたが、その後は売りに押されている。東京市場での上値の重さを引き継いで、ロンドン市場でも113.76レベルまで安値を広げた。日本株やアジア株の下落に続いて、欧州株や米株先物も下落しており、調整ムードが広がっている。 ユーロドルは1.13台半ばでの取引。前日NY市場では米FOMC会合で従来通りの漸進的な利上げ姿勢が維持されたことを受けて、ドル買い圧力が広がった。きょうもその流れが継続し、ロンドン序盤には1.1327レベルまで下押しされた。足元ではユーロ円とともに下げ渋り1.13台半ばでの推移。ユーロ円は129円台前半で上値の重い値動きが続いた。ロンドン序盤には一時128.92レベルと大台割れになる場面も。その後はやや下げ渋りも129円台前半の安値圏にとどまっている。イタリア予算をめぐる同国政府とEUとの溝は埋まらない。昨日はEUがイタリア成長見通しを引き下げ、財政赤字対GDP比が2020年には3%超と予測していた。しかし、きょうはトリア伊財務相が、今回の予算を受けて2019年GDPは0.6%ポイント押し上げられるだろうと楽観的な見方を示していた。 ポンドドルは1.30台前半での取引。ユーロと同様に前日NY市場後半からの下落の流れが継続している。ロンドン序盤にはユーロ以上に売り圧力が強まった。ポンドドルは1.30台を割り込んで、1.2995レベルまで安値を広げた。その後の戻りも限定的。ポンド円は148円台後半から下げが加速し、一時147.90近辺まで下落。その後は148円台を回復も、前半での取引にとどまっている。この日もEU離脱関連の報道が交錯している。英紙によると、英政府の離脱文書を来週12日の閣議で検証、13日に公表する見通し。英欧離脱当局者が13日に会談して、すり合わせを行う運びとしている。一方で、英政府と閣外協力しているDUPのウィルソン議員は、メイ英首相のEU離脱文書について支持できないとしている。北アイルランド問題についての約束を果たしていない、などと現地ラジオ述べた。英GDP速報値は予想通りの結果。英貿易赤字の縮小や製造業生産が予想を上回りポンド売り一服も、戻りは限定的。原油相場が下落しており、英石油株などが大幅安。北海原油産出国の通貨としてポンドの上値が重い面も一部にはあったか。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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