きょうのNY為替市場はドル売りが続いている。前日は米国とメキシコがNAFTA再交渉で合意するなど貿易問題への懸念が一服している。これまでリスク回避で資金が流れ込んでいたドルも巻き戻しの動きが続いているようだ。 ドル円は111円台前半での推移。東京時間には買い戻しの動きもあり111.35円近辺まで上昇。ただ、ドル売りの動きが圧迫し、NY時間に入ると一時110円台に入る場面も見られた。しかし、この日発表の米消費者信頼感指数が予想を上回り2000年10月以来の水準に上昇したことをきっかけに買い戻しが入り111円台はかろうじて維持している。 110円台に入ると押し目買い意欲も根強くあるようだ。米経済はもうしばらく好調を持続しそうな雰囲気で、米利上げが続くことが予想される。円との金利差に注目した買いが根強く入るのかもしれない。ただ、米株式市場は高値を更新するなどリスク選好の雰囲気が強まる中、ドル安・円安の流れもあり、ドル円は膠着感を強めている。きょうのレンジも40銭程度。現在は21日線付近での推移となっているが、次のアクション待ちの雰囲気が強まっている。 一方、ユーロドルは1.17ドル台を回復。ロンドン時間には1.17ドル付近での攻防戦があったがロング勢が寄り切ったようだ。ただ、ユーロに関しては依然としてファンダメンタルズに勢いはなく、ドル売りの受け皿として消去法的に選択されているだけと見られる。 トルコリラは軟調な動きが見られているものの、ひとまず落ち着いておりリスク回避の雰囲気に発展しそうな気配はない。きょうはドイツがトルコへの緊急経済支援の提供を検討していると報じられていた。 一方、イタリアの財政リスクに対する懸念は根強くある。ディマイオ副首相が財政赤字がEU規則上限を突破する可能性があるとの発言していた。しかし、そのことについて、同国のタリア財務相が違反する計画はないと副首相発言を否定していた。イタリア国債は上下動していたが、いまのところユーロ相場はこの件に関しては様子見を決め込んでいる模様。もう少し情勢を見極めたいといったところのようだ。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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