【これからの見通し】トランプ発言でドル売り強まる、先週のドル買いを帳消しに

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】トランプ発言でドル売り強まる、先週のドル買いを帳消しに

 昨日のNY市場終盤に、トランプ米大統領がFRBの利上げ路線に苦言を呈したことで、ドル売りの動きが広がった。その流れはきょうの東京市場でも継続している。ドル円は一時109.78レベルまで下落。しかし、その後はユーロドルなどその他主要通貨にドル売りが波及したことでクロス円が上昇。ドル円は110円台をかろうじて回復している。ユーロドルは1.15台乗せでショートカバーが強まり1.1542レベル、ポンドドルは1.28台乗せから1.2842レベルに高値を伸ばした。ドル指数は連日の下落で先週の上昇分を消す格好となっている。材料に反応したとはいえ、夏枯れの薄商いとあって、短期ポジションが目まぐるしく転換する展開となっている。普段よりも値動きが増幅されやすい状況となっているようだ。

 今週末にはジャクソンホールでパウエルFRB議長が講演を行う予定。トランプ大統領の利上げけん制発言に屈せず年内あと2回利上げ観測を確認するようだとドル買いへと再び転じる可能性がある。トランプ大統領に忖度するムードがでるようだと、中銀の独立性に疑問がなげかけられて、ドル売りに。いずれにせよ、ジャクソンホール演説への注目度がトランプ発言で高まったことは確かなようだ。

 この後の海外市場では、経済指標発表は少なめ。英公共部門ネット負債(7月)、カナダ卸売売上高(6月)が発表されるくらい。主要な金融当局者の講演・イベント予定はない。ただ、きょうから英国とEUのブレグジット協議が再開する。メイ英首相の夏休みで停滞ムードが広がる状況となっているが、10月合意に向けてまずは前向きの協議姿勢が示されそうだ。

 まずは、欧州市場で一段のドル安が進行するのかどうか、ユーロドルやポンドドルの動向に注目が集まりそうだ。一方で、ユーロ高などで欧州株が崩れるようだと、東京時間のクロス円の上昇にも反動売りが入る可能性もある。

minkabu PRESS編集部 松木秀明  

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