[Vol.1150] ドル高・株高・金高で、「3高(サンダカ)」

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。77.04ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,817.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年05月限は14,750元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年02月限は502.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで846.1ドル(前日比2.7ドル拡大)、円建てで3,142円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月5日 17時14分頃 6番限)
6,751円/g 白金 3,609円/g
ゴム 242.6円/kg とうもろこし 40,710円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「ドル高・株高・金高で、「3高(サンダカ)」」

前回は、「「バブル期」の熱狂を知らない世代」として、バブル期に流行した「3高」などについて書きました。この件について触れたのは、金(ゴールド)相場の足元の動向を解説したり、見通しを示したりする上で、有用だと考えたためです。

今回は、「ドル高・株高・金高で、「3高(サンダカ)」」として、株とドルと金(ゴールド)が、3つ同時に上昇する現象について、書きます。

例えば、この1カ月間で、世界全体の景況感を示す指標の一つとされるNYダウ(ダウ工業株30種平均)、複数の主要国の通貨に対する総合的な強弱を示すドル指数、そして、世界の金(ゴールド)価格の指標の一つとされるNY金先物は、いずれも上昇しました。

NYダウがプラス6.2%、ドル指数がプラス0.1%、NY金先物がプラス1.8%でした(「3高」)。米国でテーパリングの議論が加速した2021年10月以降(直近3カ月間)でも、NYダウがプラス7.1%、ドル指数がプラス2.4%、NY金先物がプラス3.1%でした(「3高」)。

金(ゴールド)市場は、「ドル高は金安」、「株高は金安」という教科書的な常識が通じにくい環境のまま、2022年に突入した可能性があります。

次回以降、「3高(サンダカ)」が起きている背景について、筆者の考えを述べます。

図:NYダウ、ドル指数、NY金先物の騰落率


出所:Investing.comのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。