[Vol.2266] 積み立て:短期下落・長期上昇で真価発揮

著者:吉田 哲
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原油反発。中東情勢の悪化などで。85.38ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。4,040.90ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年09月限は16,385元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年09月限は568.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2440.05ドル(前日比6.05ドル拡大)、円建てで13,494円(前日比53円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月30日 大引け時点 6番限)
21,719円/g
白金 8,225円/g
ゴム 417.9円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「積み立て:短期下落・長期上昇で真価発揮」
前回は、「積み立て:長期下落時も短期下落が支えに」と題して、積み立てシミュレーション(2)(価格推移)について、述べました。

今回は、「積み立て:短期下落・長期上昇で真価発揮」と題して、積み立てシミュレーション(保有数量)について、述べます。

以下の図は、これまでの数回で述べたシミュレーションをまとめたものです。長期視点の上昇トレンドと下落トレンド、それぞれにおける、価格が同じ方向に一直線に推移する「一辺倒型」と、短期視点の上昇・下落を繰り返す「のこぎり型」の保有数量の推移を示しています。

最終的に、上昇一辺倒型の保有数量は約95口(グラム)、のこぎり上昇型は約110口(グラム)、下落一辺倒型が約163口(グラム)、のこぎり下落型は約219口(グラム)となりました。長期視点の下落トレンド時の方が、同上昇トレンド時よりも、保有数量が増えやすいことが分かります。

また、長期視点の上昇トレンドと下落トレンド、いずれの場合も、価格が短期視点の上昇・下落を繰り返した方が、価格が安い局面でより多くの数量を購入できるため、保有数量を効率よく積み上げられることが分かります。

長期視点の上昇トレンドと下落トレンド、それぞれにおける、価格が同じ方向に一直線に推移する「一辺倒型」と、短期視点の上昇・下落を繰り返す「のこぎり型」の価格推移において、積立期間が終了した後に、価格が一律で1,000円上昇した場合の資産額の変化分を確認します。

1,000円反発すると、上昇一辺倒型の資産額は約9万円、のこぎり上昇型は約11万円、下落一辺倒型は約16万円、のこぎり下落型は約21万円、増加しました。同じ1,000円の価格上昇であっても、保有数量が多いほど資産額の増加幅は大きくなることが分かります。

このことは、「[Vol.2263] 積立:『保有数量の増加』も正義」で述べた「積立投資の収益=保有数量×価格」という式を体現しています。「数量を増やすための短期視点の下落」と「最終的な資産の額を増やす長期視点の上昇」が組み合わさることで、運用成果が最大化されるといえます。

だからといって、積立投資は価格下落を期待する投資ではありません。短期視点の下落局面では効率良く数量を増やすことができますが、それだけで利益を大きくすることはできません。

さらには、長期の価格上昇だけでは、資産の額が一定程度増えたとしても、十分な数量を積み増すことができず、積立投資の運用効率を上げることはできません。積立投資にとって望ましいのは、積立期間中に適度な短期視点の価格下落があり、その後、長期視点の価格上昇が起きることです。

短期的な下落を恐れて積み立てを中断するのではなく、価格が下落した局面では、今が保有数量を増やす機会と捉え、その後の価格上昇を長期的な視点で待つことが重要です。積立投資の成果は、価格変動を受け入れながら保有数量を積み上げ、その数量が価格反発によって評価されることで生まれます。この二段階の仕組みこそが、積立投資の本質だといえます。

図:積み立てシミュレーション(保有数量) 単位:口あるいはグラム
図:積み立てシミュレーション(保有数量) 単位:口あるいはグラム
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。