週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比0.55ドル高の81.31ドル、ブレント原油は1.44ドル高の87.83ドルとなった。

 前週末の海外原油は続伸。中国の経済活動再開に伴う石油需要の回復期待が支えとなる中で引き続き堅調に推移し、またFRBによる利上げペースの鈍化観測からドル安進行したことも支えとなった模様。

 先週は、OPECプラス会合を控えて様子見姿勢が強まり、レンジでの動きが続いた。週明け23日はほぼ横ばい。引き続き中国の石油需要の回復期待が支えとなった一方、高値圏では戻りを売られると上げ幅を縮小する展開となった。24日は米国や欧州の経済指標の悪化から景気減速懸念が強まったほか、米在庫統計の増加予想が重しとなる中で下落するも、その後買い戻しが入り、下げ幅を縮小した。続いて25日もほぼ横ばいでの推移。米経済指標の悪化から景気後退懸念が強まったことが重しとなった一方、EIA統計において原油在庫が予想ほど増加しなかったことや、中国の石油需要の回復期待が支えとなると強弱まちまちな展開となった。26日は米10-12月期GDPが予想より堅調な内容だったことによる景気減速懸念後退が支えとなったほか、春節明けから中国経済の正常化が期待されていることも支えとなり小反発、しっかりとした推移が続いた。

NY原油チャート

 今週の原油相場は、現状~やや上目線での推移が濃厚か。中国の経済活動再開に伴う石油需要の回復期待が引き続き相場を支えており、大きくは売られにくく、下値では買われやすくなっている。また、来月からEUがロシア産石油製品の海上輸入を停止することとなっており、需給面でも緩みにくい可能性が高い。テクニカル面でみると、先月月初からの緩やかな上昇トレンドラインを維持し、現在は上昇途中の中段もみ合いとも言える形となっている。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。