【原油速報】「3月中旬」がXデーか。トランプ政権、イランへ“1か月の最後通達”

著者:村石 充
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原油市場は今、かつてないほどの緊張感に包まれています。トランプ米大統領が2月13日、イランとの核協議に対し「今後1か月程度」という最終交渉期限を突きつけたことで、マーケットの視線は3月中旬の「決裂か、合意か」に一点集中しています。

NY原油
出所:Win Stationをもとに筆者作成

「1か月」のデッドライン:外交決着か、それとも決裂か
トランプ大統領は、イランとの核協議について3月中旬までに見通しを立てる方針を明言しました。

・イラン側の歩み寄り:経済制裁による疲弊が限界に達しているイランは、制裁解除を条件に「ウラン濃縮制限」や「査察受け入れ」を示唆。外交的な出口を模索しています。

・市場の反応:合意に至ればイラン産原油の公式な輸出再開が意識され、価格の下押し要因となりますが、現時点では「決裂リスク」への警戒が勝っています。

「真夜中の鉄槌」再来の恐怖:軍事的圧力の強化
交渉の裏で、米国は「アメとムチ」の「ムチ」をかつてないほど強調しています。

・第2空母打撃群の派遣:ペルシャ湾付近へ追加の空母派遣を準備しており、物理的な封鎖圧力を高めています。

・作戦再開の警告:2025年6月、米軍はイラン核施設へ「真夜中の鉄槌(ミッドナイト・ハンマー)作戦」を敢行しました。トランプ氏は今回、期限内の合意がなければこの再攻撃を厭わない構えを見せています。

イスラエルの介入が「毒薬」となる懸念
2月11日に行われたトランプ氏とネタニヤフ首相の3時間に及ぶ会談が、交渉をより複雑にしています。

・イスラエルの追加要求:核開発の凍結だけでなく、「弾道ミサイル開発の制限」や「武装組織への支援停止」を合意に含めるよう強く要求しています。

・交渉決裂のトリガー:イラン側にとってミサイル開発は国家防衛の根幹であり、この要求が飲めない「毒薬(ポイズン・ピル)」となって交渉が瓦解するシナリオを市場は最も恐れています。

イラン国内の亀裂と米国の「通信支援」
イラン国内の情勢も、原油供給の不安定化に拍車をかけています。

・反体制派への支援:米国は、デモを弾圧するイラン政府に対抗し、衛星通信端末(スターリンク)の密輸などを通じて反体制派の通信環境を支援。

・体制の揺らぎ:国内の混乱が深まれば、政府が国民の不満を外に向けるために、ホルムズ海峡での挑発行動に出るリスク(地政学リスクのスパイク)が高まります。

投資戦略へのインプリケーション
現在、オマーンなどを仲介役とした水面下の交渉が続いていますが、状況は「極めて危ういバランス」の上にあります。

投資家にとって、3月中旬までの1か月間は「ニュース一行で価格が数ドル跳ねる」非常に神経質な相場となるでしょう。特に米軍の動きとイスラエルの発言には、これまで以上に注視が必要です。



結論:
投資家にとって、3月中旬までの1か月間は「ニュース一行で価格が数ドル跳ねる」非常に神経質な相場となるでしょう。特に米軍の動きとイスラエルの発言には、これまで以上に注視が必要です。

 

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このコラムの著者

村石 充(ムライシ ミツル)
フジトミ証券(株) 投資助言事業部チーフアナリスト / 認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
1996年より金融業界に身を置き、商品先物オプションやFXの自己ディーリングを通じて多様なトレード手法を習得。2007年に日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)を取得。現在はYouTube「フジトミチャンネル」にて、独自のサイクル理論と金融占星術を軸に、プライスアクションや移動平均線を組み合わせた実戦的な相場戦略を配信。投資助言サービスでは、金・白金・原油などの商品先物から、日経225・NASDAQ100といった株価指数まで、エビデンスに基づいた売買タイミングを提供している。