先週末のWTI原油は前週比2.11ドル高の77.86ドル、ブレント原油は2.25ドル高の84.37ドルとなった。
前週末の海外原油は続落。1月米雇用統計が予想を上回る内容となり、利上げが長期化するとの懸念から売りが優勢となった。またドル高やWTIで75ドルを下回ったことによりテクニカルの売りも入ったと思われる。
先週は。週明け6日は反発。IEAのビロル事務局長が中国の経済回復に伴うエネルギー需要の増加が見込まれると述べたほか、トルコの大地震により同国の石油施設が8日まで停止するとの報が支援要因となった。7日は続伸。トルコの地震により同国からの輸出が滞っていることが相場を押し上げた。また北海最大の油田での生産が停止したとの報も材料視された模様。8日も続伸。先週の雇用統計の結果を受けてもパウエル議長が想定ほどタカ派寄りではなかったとの見方からリスクオンムードが広がり、リスク資産である原油にも買いが入る格好となった。しかし、EIA統計において原油、製品在庫がともに予想を上回る積み増しとなったことで上値は抑えられた。9日は反落。トルコの地震による供給障害が長続きしないとみられていることや、利上げによるエネルギー需要減少への懸念が重しとなった。ただ、中国やインドで需要が拡大するとの見通しは相場を下支えした模様。
来週の原油相場は押し目完了から年初来高値を伺う展開か。引き続き金融引き締めから原油需要減退懸念が根強いものの、中国の経済活動再開による需要回復期待が上回っている。14日のOPEC月報、15日のIEA月報で需要見通しの上方修正があれば、ブレント原油で90ドルを試す動きとなりそうだ。ただ、14日には米消費者物価指数の発表を受けて金融市場が大きく動く可能性があり、連動した乱高下には注意が必要だ。また、トルコ・シリア大地震でパイプライン停止による供給障害は長期化しない見通しだが、ロシアが50万Bの減産をするとの報道もあり、昨年12月以降のレンジ相場を上放れする可能性も想定すべきだろう。