[Vol.1434] 「もう買えない」と言われる金(ゴールド)

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。79.33ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,857.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は12,430元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年04月限は570.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで884.45ドル(前日比9.25ドル拡大)、円建てで3,905円(前日比15円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月6日 18時13分頃 6番限)
8,073円/g
白金 4,168円/g
ゴム 225.2円/kg
とうもろこし 43,710円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『もう買えない』と言われる金(ゴールド)」
前回は、「中長期ならば、中央銀行の保有高の動向に注目」として、中央銀行の金(ゴールド)購入量について、述べました。

今回は、「『もう買えない』と言われる金(ゴールド)」として、金(ゴールド)の税抜小売価格について、述べます。

以下のグラフは、2023年1月に、国内の金(ゴールド)小売価格が史上最高値を更新した様子を描いています。そして、足元の価格水準が、1970年代後半の「いわゆる」有事の金と呼ばれた時よりもはるかに高いことを示しています。

「今の金(ゴールド)の価格水準は高すぎる」→「だから今後も上がるか分からない、しかも下がった場合は急落する可能性がある」→「このため、もう金(ゴールド)は買えない」という連想が生じるのも、無理はありません。

このような考えをお持ちになる市場関係者がおられることを、筆者も承知しています。であれば、純金積立はどうでしょうか。今後数回に分けて、超長期を前提にした「純金積立」について、述べます。

図:国内金(ゴールド)税抜小売価格(月間平均 23年2月末時点) 単位:円/グラム
図:国内金(ゴールド)税抜小売価格(月間平均 23年2月末時点)

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。