2024年の株価見通し
2024年は大統領選の年です。大統領選の年は株が上がりやすいと言われますが本当でしょうか?S&P500で調べてみると過去40年間で大統領選の年は80%の割合で上昇しているようです。現職大統領は自分の政策の良さを株価によって裏付けしたいと思いますし、対立候補の斬新な経済政策はマーケットに期待感を抱かせます。
2024年もいろいろな意味で株価が上がりやすい1年だと私は見ています。しかし、途中過程では乱高下もある激動の1年というのが私の見立てです。日経平均株価がいよいよ4万円時代になりました。4万円ということは1割下がっても4千円、2割下がったら8千円ということになります。その程度の下げは平然と覚悟しておく必要があります。
そんなときに役立つのが「ファープット」です。
ファープットは掛け捨て保険
ファープットとは権利行使価格が現在の日経平均株価よりはるかに低いプットの買いのことです。プットは下がれば利益になる取引。権利行使価格が低いプットの買いということは相当下がらないと利益にはなりません。不利な感じがしますがその分プレミアム(オプション料)が低いのです。
ファープットはオプションで儲けようという戦法ではありません。まさかのときのための保険商品なのです。
ファープット
権利行使価格が現在の日経平均株価よりはるかに低いプットの買いのこと
ファープットの前提条件
ファープットをする前提条件は個別株を現物で持っているということです。そしてそちらが投資のメインという状況です。その株は優良株なので今年1年持てばそれなりに利益が出るだろうと見込んでいます。しかし、途中過程での下げは当然あります。今年はその一時的な下げが大きいと見込まれます。そこでファープットの登場なのです。
【具体例】
3月7日時点日経平均の価格は終値で39599円でした。日経225ミニオプション4月限、権利行使価格40000円のプットの価格は1625円でした。そのとき、権利行使価格32000円のプットの買いはプレミアム31円でした。100倍の取引ですから3100円から買うことが出来ます。私は大体プレミアム30円前後のプットを探しています。
権利行使価格32000円というと、いくらなんでもそこまでの下落はないと思われるでしょうが、32000円まで下がる必要はないのです。今から日経平均が下がるたびに32000円プットの価格は上昇していくのです。もちろん時間的価値は下がっていきますのでプレミアムが高くなったところで決済しないと最後には価値がなくなってしまいます。
しかし、もし実際に暴落相場が起こると31円のプレミアムが数倍から数十倍、それ以上にもなるのです。10枚買っておけば3.1万が数十万~数百万円にもそれ以上にもなるのです。リーマンショック時には200倍になったファープットもありました。とすると魅力を感じていただけるはずです。
ただし、暴落相場はそんなにしょっちゅうは起こりません。ですから通常は損失で終わります。掛け捨て保険と思わなければいけません。ファープットは損切覚悟の戦法なのです。
現物株を持って、不安を感じたらファープットを持つ。これが基本戦略です。そうすれば暴落時はファープットで損失を補填出来、もし、暴落相場がなく、ファープットが無価値になったとしてもそのときは事故がなくてよかったと喜ばなければいけません。
ファープットの権利行使価格の選び方
現在値からどれくらい低い権利行使価格を選べばいいかをよく聞かれます。現在値との差を意識するのではなく、プレミアム(オプション料)で決めます。プレミアムは低ければ低いほどいいですが、流動性がなくなっても困るので30円前後がおすすめです。
続いて「ロングストラドル」を紹介します。
こちらはまさに大統領選直前に手掛けてもらいたい戦法です。
ロングストラドルの商品特性
上でも下でも価格が大きく動けば利益というのがロングストラドルです。
ロングストラドルがどんな商品かというとオプション取引でコールの買いとプットの買いを同時に持つという戦法です。
ロングストラドル
コールの買いとプットの買いを同時に持つ戦法
コールの買いは日経平均が上がれば上がるほど利益、下がったときは損失ですが、損失はプレミアム分に限定されています。プットの買いは日経平均が下がれば下がるほど利益、上がったときの損失はプレミアム分に限定されています。
ということはある一定以上、日経平均が上がればプットの買いの損失を差し引いてもコールの買いの利益が大きくなるわけです。また一定以上、日経平均が下がればコールの買いの損失を引いてもプットの買いの利益が大きくなるわけです。
ロングストラドルが活躍した日
2016年、トランプ氏の大統領就任が決まったとき、日経平均はなんと千円下がって、翌日それ以上上がりました。まさにロングストラドルに最適な状況でした。
大統領選の年は株価が大きく変動します。特に今年は「もしトラ」と言われる激動の年です。トランプ大統領が復活すればあらゆることがひっくり返るでしょう。ということは今年1年、トランプ氏が勝ちそうだというニュースで動き、意外とバイデン氏が優勢だということで、また動く1年になります。
株価が動くことは投資家にとって悪い話ではありません。それに対する入念な準備さえ怠らなければ今年は投資家にとって魅力的な1年になるでしょう。そのためには是非とも今年、投資家はオプション取引を勉強する必要があると言っておきたいと思います。
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