ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は5~10トン。9月27日の価格はキロあたり84.00バーツ、RSS号タイ主要港11月積価格は272.0~286.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、9月10日時点7,148トン(前旬比224トン減)。

 9月上旬の入出庫は入庫975トン、出庫1,199トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅続伸、中国当局の金融緩和決定と財政政策実施表明を受けて中国株式・商品に幅広い買いが入る中で上海ゴムが続伸すると、OSEゴムには売り方の買戻しとみられる大口の買いが入り上昇、中心限月は一時400.2円まで上昇したが買い一巡後は390円台での値動きとなった。株式は上昇、好調な米指標や中国景気刺激策への期待がリスクオンの動きにつながり、原油を除く商品市場も同様の理由から買い優勢となった。ドル円は米金利上昇と自民党新総裁期待で一時円安方向に動いたが、週末には143円台半となり前週比円高となった。

 9月27日引け時点のRSS2月限(中心限月)は391.5円、TSR12月限(中心限月)は299.0円。週の高値はRSS400.2円/TSR300.0円、週の安値はRSS355.1円/TSR278.6円。

 現物スポット価格は400円程まで大幅続伸、雨により供給改善が遅れる中で上海ゴム上昇が価格を押し上げた。上海ゴム在庫は24万トン台で横ばい、今後の財政支援が需要回復につながれば現在の価格も正当化されうるか。産地では降雨が継続しており、生産の回復・安定化にはまだ時間が必要だろう。OSEゴムは指定倉庫在庫減少が続く中で新規入着の見通しがつかず、且つ輸入採算を下回る状態であることから、供給サイドの改善がなければ逆鞘幅拡大・価格上昇リスクに警戒が必要だろう。上海ゴムは10月1日から一週間の休場となることから、産地・為替動向に注意しながら押し目買い方針を維持したい。中心限月は375.0~405.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp