原油反落。米主要株価指数の反落などで。68.55ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。2,681.34ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年05月限は18,260元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は530.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1735.09ドル(前日比2.09ドル拡大)、円建てで8,328円(前日比29円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(11月29日 17時43分時点 6番限)
金 12,885円/g
白金 4,557円/g
ゴム 363.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,252円/mmBtu(25年3月限 11月19日17時18分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「SNSは民主主義を停滞させる重要要素」
前回は、「SNSは情報戦・心理戦の『ドローン』」として、SNSが各種戦いに与える影響を確認しました。
今回は、「SNSは民主主義を停滞させる重要要素」として、2010年ごろ以降の世界分断発生とコモディティ(国際商品)価格上昇の背景を確認します。
SNSの環境では、既存の思想や体制に反発心を抱く人たちの間で不満や不安が共有され、それが既存の思想や体制への反発心で一致して、膨張することがあります。不満・不安をきっかけとした「民意の濁流」は、感情が強く優先された状態であるため、民主主義を減退させる要因になり得ます。
2010年ごろ以降に目立ち始めた、SNSを一因とした社会構造の変化は、V-Dem研究所(スウェーデン)が公表している、世界各国の民主主義に関わる情報を数値化した自由民主主義指数に注目することで確認できます。
民主主義の根幹に関わる、公正な選挙、表現の自由、法の支配が守られているかなどを数値化したこの指数は、0と1の間で決定し、0に接近すればするほど自由で民主的な度合いが低いことを、1に接近すればするほど自由で民主的な度合いが高いことを意味します。
過去120年間(1903~2023年まで)の世界平均の推移を確認すると、第1次世界大戦後、第2次世界大戦後、冷戦終結後に上昇したことが分かります。民主主義を掲げ、建設的な話し合いを経て世界が平和に向かう機運が高まった時代です。逆に、第2次世界大戦や東西冷戦のさなかは低下しました。こうした動きより、同指数はこの100年超、おおむね世界の民主主義の動向を反映してきたと言えます。
同指数の低下は、民主主義の行き詰まりや、西側諸国の相対的な影響力低下が始まっていることを示唆しています。それはつまり、非西側の相対的な影響力増加、世界分断・分裂の深化が始まっていることを示唆していると言えます。
SNSは感情優先、建設的な議論なしが許される世界であるため、民意が濁流と化す場になり得ます。2010年ごろ以降、武力衝突を伴う政権転覆が相次いだアラブの春やBREXIT、2016年・2024年のトランプ氏の米大統領選挙の勝利など、民主的かどうか議論が必要な大きな出来事が起きています。
最近では、SNS上で偽情報が横行したり、誹謗中傷が相次いだりして、建設的な議論ができなくなるケースが散見され、社会問題が発生しています。SNS起因の民主主義の後退は、民主正義と考える西側の影響力後退、ひいては非西側の台頭を許す世界分裂の一因になり得ます。
以下の図のとおり、世界分裂は、戦争や資源国の出し渋りの直接的なきっかけになり得ます。世界で分裂が目立つことで、「自国第一主義」が目立ちやすくなります。そうすると、自国の「食やエネルギーの安全保障」を訴える国が増えやすくなります。その結果、資源を武器として利用する国が増えやすくなります。
実際に今まさに、人為的な「減産」は原油で、政治的意図を持った「輸出制限」は小麦などの農産物で断続的に行われています。こうした主要な生産国による「資源の武器利用」は、コモディティ(国際商品)の需給を引き締める主な要因になっています。それが一因で、世界規模のインフレが継続しています。
SNS台頭(一因)→民主主義停滞→世界分裂→戦争発生・資源武器利用横行→不安・インフレ継続→中央銀行の金(ゴールド)保有増加継続、という流れが2010年ごろから継続しています。以下のとおり、「中央銀行」と民主主義停滞や世界分裂といった「見えないジレンマ」は、金(ゴールド)市場の中長期・超長期視点の上昇圧力の一つです。
人類がSNSを使用し続ける限り、この流れが終わることはないと筆者は考えています。選挙での混乱はまだまだ序章に過ぎず、SNSをきっかけとした社会不安はこれから噴出する可能性があります。(闇バイトの多くもSNSがきっかけと報じられている)
国内外の金(ゴールド)相場は、歴史的な高値水準にありますが、高いことが今後上昇しない理由にはなりません。これまで、高いと言われても、何度も高値を更新して今に至っています。材料さえあれば、上昇し得ます。
長期視点での注目材料は、この数回で述べてきたとおり、2010年ごろから続くSNSがもたらすさまざまな脅威です。筆者はこの脅威が続く限り、金(ゴールド)相場は、細かい短期視点の上下を繰り返しながらも、長期視点で上昇し得ると考えています。
図:2010年ごろ以降の世界分断発生とコモディティ(国際商品)価格上昇の背景
出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。2,681.34ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年05月限は18,260元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は530.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1735.09ドル(前日比2.09ドル拡大)、円建てで8,328円(前日比29円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(11月29日 17時43分時点 6番限)
金 12,885円/g
白金 4,557円/g
ゴム 363.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,252円/mmBtu(25年3月限 11月19日17時18分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「SNSは民主主義を停滞させる重要要素」
前回は、「SNSは情報戦・心理戦の『ドローン』」として、SNSが各種戦いに与える影響を確認しました。
今回は、「SNSは民主主義を停滞させる重要要素」として、2010年ごろ以降の世界分断発生とコモディティ(国際商品)価格上昇の背景を確認します。
SNSの環境では、既存の思想や体制に反発心を抱く人たちの間で不満や不安が共有され、それが既存の思想や体制への反発心で一致して、膨張することがあります。不満・不安をきっかけとした「民意の濁流」は、感情が強く優先された状態であるため、民主主義を減退させる要因になり得ます。
2010年ごろ以降に目立ち始めた、SNSを一因とした社会構造の変化は、V-Dem研究所(スウェーデン)が公表している、世界各国の民主主義に関わる情報を数値化した自由民主主義指数に注目することで確認できます。
民主主義の根幹に関わる、公正な選挙、表現の自由、法の支配が守られているかなどを数値化したこの指数は、0と1の間で決定し、0に接近すればするほど自由で民主的な度合いが低いことを、1に接近すればするほど自由で民主的な度合いが高いことを意味します。
過去120年間(1903~2023年まで)の世界平均の推移を確認すると、第1次世界大戦後、第2次世界大戦後、冷戦終結後に上昇したことが分かります。民主主義を掲げ、建設的な話し合いを経て世界が平和に向かう機運が高まった時代です。逆に、第2次世界大戦や東西冷戦のさなかは低下しました。こうした動きより、同指数はこの100年超、おおむね世界の民主主義の動向を反映してきたと言えます。
同指数の低下は、民主主義の行き詰まりや、西側諸国の相対的な影響力低下が始まっていることを示唆しています。それはつまり、非西側の相対的な影響力増加、世界分断・分裂の深化が始まっていることを示唆していると言えます。
SNSは感情優先、建設的な議論なしが許される世界であるため、民意が濁流と化す場になり得ます。2010年ごろ以降、武力衝突を伴う政権転覆が相次いだアラブの春やBREXIT、2016年・2024年のトランプ氏の米大統領選挙の勝利など、民主的かどうか議論が必要な大きな出来事が起きています。
最近では、SNS上で偽情報が横行したり、誹謗中傷が相次いだりして、建設的な議論ができなくなるケースが散見され、社会問題が発生しています。SNS起因の民主主義の後退は、民主正義と考える西側の影響力後退、ひいては非西側の台頭を許す世界分裂の一因になり得ます。
以下の図のとおり、世界分裂は、戦争や資源国の出し渋りの直接的なきっかけになり得ます。世界で分裂が目立つことで、「自国第一主義」が目立ちやすくなります。そうすると、自国の「食やエネルギーの安全保障」を訴える国が増えやすくなります。その結果、資源を武器として利用する国が増えやすくなります。
実際に今まさに、人為的な「減産」は原油で、政治的意図を持った「輸出制限」は小麦などの農産物で断続的に行われています。こうした主要な生産国による「資源の武器利用」は、コモディティ(国際商品)の需給を引き締める主な要因になっています。それが一因で、世界規模のインフレが継続しています。
SNS台頭(一因)→民主主義停滞→世界分裂→戦争発生・資源武器利用横行→不安・インフレ継続→中央銀行の金(ゴールド)保有増加継続、という流れが2010年ごろから継続しています。以下のとおり、「中央銀行」と民主主義停滞や世界分裂といった「見えないジレンマ」は、金(ゴールド)市場の中長期・超長期視点の上昇圧力の一つです。
人類がSNSを使用し続ける限り、この流れが終わることはないと筆者は考えています。選挙での混乱はまだまだ序章に過ぎず、SNSをきっかけとした社会不安はこれから噴出する可能性があります。(闇バイトの多くもSNSがきっかけと報じられている)
国内外の金(ゴールド)相場は、歴史的な高値水準にありますが、高いことが今後上昇しない理由にはなりません。これまで、高いと言われても、何度も高値を更新して今に至っています。材料さえあれば、上昇し得ます。
長期視点での注目材料は、この数回で述べてきたとおり、2010年ごろから続くSNSがもたらすさまざまな脅威です。筆者はこの脅威が続く限り、金(ゴールド)相場は、細かい短期視点の上下を繰り返しながらも、長期視点で上昇し得ると考えています。
図:2010年ごろ以降の世界分断発生とコモディティ(国際商品)価格上昇の背景
出所:筆者作成