週刊石油展望

著者:児玉 圭太
ブックマーク
 先週末のWTI原油は前週比0.79ドル高の67.37ドル、ブレント原油は0.94ドル高の70.66ドルとなった。

 先週はトランプ関税による景気悪化から燃料消費の減少が懸念されていることや、ウクライナ侵攻の停戦期待からロシア産原油の輸出増加が期待されていること、4月からのOPEC+の増産開始期待から売り込まれブレント原油は70ドルを挟んだ値動きとなった。但し70ドルを下回る水準は買い戻されて推移いる。12日水曜日のアメリカ発表のEIA在庫統計では原油在庫こそ増加したが、製品在庫は減少し71ドルまで買い戻された。しかし、13日木曜日発表のIEAでは年後半に日量100万バレルの供給増になるとのレポートが出て再度70ドルを下回った。その後は原油の売り材料の出尽くし感もあり、底堅い推移となっている。

みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート
出所:みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート

 今週の原油相場は売り材料が豊富な中、買い材料としてはイラン制裁やアメリカ製品在庫減少、売られ過ぎからの買い戻しくらいであり、全体的なムードはトランプ関税による景気悪化懸念のため弱気局面になっている。そのため来週も金融市場が堅調な値動きを見せない限り70ドルを挟んだ値動きとみられる。引き続き来週はウクライナ―ロシアの停戦協定や、トランプ発言で市場が上下すると思われ、ブレント原油の上値は1月高値の82ドルから直近安値69ドルの3分の1戻しの73ドル程度、安値は65ドルくらいが想定される。

 

 

商品取引ならOKACHI

このコラムの著者

児玉 圭太(コダマ ケイタ )

国際法人部主任として国内商社や地場SS等を担当。
需給動向や石油現物価格などをもとに相場分析を行います。静岡出身。