上海天然ゴム先物が新規上場！特徴から取引の仕組みや税制までわかりやすく紹介！

上海天然ゴム先物

上海天然ゴム先物は、上海先物取引所（以下、「SHFE」）に上場する天然ゴム先物を対象とする先物取引です。SHFEでは、天然ゴム先物はSCR WF（中国の国内基準に準拠した中国産の天然ゴム）とRSS（視覚的格付けゴム）が取引対象となります。

大阪取引所（以下、「OSE」）の上海天然ゴム先物は、SHFEの商品設計を概ね踏襲していますが、決済通貨は日本円であり、取引最終日までに決済されなかったポジション（建玉）はSHFE天然ゴム先物の受渡値段で決済される現金決済型の取引です。OSEの上海天然ゴム先物は、RSS・TSR（技術的格付けゴム）と同様、国内外の投資家からゴム事業者まで多様な市場参加者で構成されます。

OSEに上海天然ゴム先物を上場する意義・期待

世界の天然ゴム先物市場の中心はアジアであり、OSEの天然ゴム先物市場は1952年に取引が開始され、世界の需要家、生産者、流通業者、投資家などに歴史ある国際指標として活用されています。
一方、SHFEの天然ゴム先物は世界で最大の流動性を有し、最大消費国である中国の価格指標として、中国内外のゴム市場関係者から注目されています。

OSEの上海天然ゴム先物の上場により、日本でも中国の天然ゴム価格に容易にアクセスできるようになります。国内外のゴム関連事業者は、中国で保有する天然ゴム在庫などの価格変動に対するヘッジが可能となります。また、SHFEとOSEの間に生じる価格差を利用した裁定取引などがOSEの天然ゴム市場に流動性を提供することで、OSEでは既存のRSSとTSR市場の活性化も期待できます。

投資家としても、上海天然ゴム価格へのアクセス、さらには上海天然ゴム先物の取引機会をOSEで得られるようになることは、大きなメリットになるでしょう。金や原油と比較すると、天然ゴムは一般投資家にとって馴染みの薄い銘柄かもしれませんが、この機会にOSE天然ゴム先物市場で新たな投資機会を検討してみてはいかがでしょうか。

上海天然ゴム先物取引の制度概要

OSEの「上海天然ゴム先物取引」は、SHFEに上場している天然ゴム先物取引の価格を取引対象とします。SHFEでは1トン当たり人民元建てで取引されており、1取引単位は10トンになっています。一方、OSEでは1トン当たりの単位はポイントとなり、1取引単位は取引対象の数値に100円を乗じた額になります。

例えば、SHFEで1トン＝1万5,000人民元で取引されている場合、OSEでは理論上は1トン=1万5,000ポイントで取引されます。この場合、1取引単位は1万5,000ポイント×100円＝150万円になります。呼び値の単位（値段の刻み）は、SHFEが5人民元刻みのため、OSEでは5ポイント刻みになります。このため、1ティックの値動きで5ポイント×100円＝500円変動します。
「上海天然ゴム先物取引」は現金決済型先物のため、OSEに上場されている「RSS」や「TSR」とは異なり現物の受け渡しが行われません。取引時間は、日中立会が09：00～15：45、夜間立会が17：00～19：00で共通しています。なお、SHFEの取引時間は、日本時間で10：00～12：30、14：30～16：00、22：00～24：00となります。限月については、SHFEでは10限月制ですが、OSEではその中で特に取引が活発な1月限、5月限、9月限の3限月制となっています。

・上海天然ゴム先物の制度概要の詳細はこちら（JPXウェブサイト）
・証拠金に関する詳細はこちら（日本証券クリアリング機構ウェブサイト）

SHFEの天然ゴム先物の取引状況

取引事例

OSEの上海天然ゴム先物の取引事例について紹介します。
上海天然ゴム先物は、SHFEの天然ゴム相場が上昇すると予想した時には「買い」から、反対に相場が下落すると予想した時には「売り」から取引を始めることができます。
「売り」からスタートし、予想どおり相場が下落すれば、「買い戻す」ことで利益を得ることができます。ただし、予想に反して相場が変動した場合には、損失が発生します。

買いの例

天然ゴム相場の上昇を予想し、上海天然ゴム先物を15,000ポイントで1枚買いました。この場合の取引単位は15,000ポイントに100円を乗じた150万円となります。SHFEの天然ゴム先物は中国元で取引されますが、OSEの上海天然ゴム先物ではこれを数値（ポイント）と見做して円建てで取引するため、日本の投資家は日本円・中国元の為替変動リスクを気にすることなく取引を行うことができます（売りの場合も同様です）。
その後、以下のように決済（転売）した場合の損益を計算してみましょう。
損益の計算では、呼値当たりの損益のポイントに100（倍率）を乗じて算出します（売りの例も同じです）。
なお、計算例には手数料及び消費税は含まれていませんが、実際の取引ではこれらが発生します。

16,000ポイントで決済した場合（利益）

14,000ポイントで決済した場合（損失）

売りの例

天然ゴム相場の下落を予想し、上海天然ゴム先物を15,000ポイントで1枚売りました。
その後、以下のように決済（買い戻し）した場合の損益を計算してみましょう。
損益の計算では、呼値当たりの損益のポイントに100（倍率）を乗じて算出します（買いの例も同じです）。
なお、計算例には手数料及び消費税は含まれていませんが、実際の取引ではこれらが発生します。

14,000ポイントで決済した場合（利益）

16,000ポイントで決済した場合（損失）

上海天然ゴム先物取引の税金

上海天然ゴム先物取引は、年間の損益を通算して利益となった場合には、その利益に対して税率20%（所得税15%、住民税5%）により課税されます（申告分離課税）。

なお、損失は3年間の繰越控除、また金先物、原油先物、日経225先物取引やFX取引など他の金融商品先物取引による所得との通算が可能です。

上海天然ゴム先物の基礎知識（動画準備中）

上海天然ゴム先物の商品特性、価格変動要因及び制度概要などの基礎的な事項について、マーケット・エッジの小菅努氏が解説します（20分程度）。

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NYダウ	{{dji.close}} ({{dji.time}})	{{dji.side_merge_str}}
米ドル/円	{{jpy_x.close}} ({{jpy_x.time}})	{{jpy_x.side_merge_str}}
WTI原油	{{vnm_two.close}} ({{vnm_two.time}})	{{vnm_two.side_merge_str}}
NY金	{{vcm_one.close}} ({{vcm_one.time}})	{{vcm_one.side_merge_str}}
グロース250	{{mthr.close}} ({{mthr.time}})	{{mthr.side_merge_str}}
上海総合指数	{{ssec.close}} ({{ssec.time}})	{{ssec.side_merge_str}}

上海天然ゴム先物が新規上場！特徴から取引の仕組みや税制までわかりやすく紹介！

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