ゴムの商品知識―商品特性や需給世界のゴム市場を解説！

私たちの生活に欠かせないゴムですが、実は天然ゴムと合成ゴムの2種類があり、それぞれに異なる特徴があることをご存知でしょうか？

この記事では、天然ゴムの種類から、その供給・需給の仕組み、価格変動要因、そして世界の主要なゴム先物市場まで、ゴムに関する幅広い知識をわかりやすく解説します。

ゴムの基礎知識を付け、ゴム市場をより理解することで、先物取引をもっと身近に感じてみてください。

天然ゴムの商品特性

「天然ゴム」と「合成ゴム」は、見た目だけで区別するのが難しいですが、まず原材料が異なります。天然ゴムはゴムの樹の樹液という植物由来である一方、合成ゴムは石油由来の原料で製造されます。また、天然ゴムは優れた弾性（形が変わっても元に戻る力）を持つため主に自動車タイヤに使用されますが、合成ゴムはタイヤ以外の各種工業用途でも使用されています。

その天然ゴムは、さらに「ラテックス」、「RSS（視覚格付けゴム）」、「TSR（技術的格付けゴム）」に分類されます。ラテックスは、ゴムの樹の幹を傷つけて採取した樹液（フィールドラテックス）を指します。この樹液が凝固しないようにアンモニアを添加して濃度を調整した液体の天然ゴムです。ゴム手袋や医療用ゴムなどに使用されています。

RSSは、シート状に加工した天然ゴムです。フィールドラテックスを固めた後、乾燥および燻製処理して作られます。TSRは、粉砕したゴムをブロック状に成型して作られます。RSSは視覚的に格付けされる一方、TSRは技術的な規格に基づいて格付けされます。

大阪取引所（以下、「OSE」）で取引対象になるゴム先物取引は、最も標準的な国際規格である「RSS3号」、「TSR20号」の他、「上海天然ゴム」になります。上海天然ゴムは上海先物取引所（以下、「SHFE」）に上場される天然ゴムで、中国の独自規格である「SCR WF」と輸入された「RSS3号」が標準品（売買の基準となる商品）となります。

天然ゴムの供給・需要/価格変動要因

天然ゴムは、「供給は農産物」である一方、「需要は工業品」という2つの性質を同時に有する珍しいコモディティです。

まず供給サイドを見てみましょう。天然ゴムはゴムの樹の表皮を削った際に出てくる樹液が原料になります。このため、供給に季節的な傾向があります。一般的には、主産地である東南アジアの乾季が減産期、雨季が生産期と大別できます。タイの場合だと、1月頃からウインタリング（落葉期）が始まり、3～4月頃に減産ピークを迎え、6～7月頃から年末に向けて生産期になります。

ただし、例年よりも乾季が深刻化・長期化すると、「ハード・ウインタリング」と呼ばれる減産期間の長期化を招くことがあります。台風シーズンには豪雨や洪水被害の発生による生産障害が発生することもあります。また、「根白腐病」や「葉枯病」などの病害が広がると、ゴム樹の伐採などで生産量への影響が長期化することもあります。

次に需要サイドを見てみましょう。天然ゴムの需要は大部分が自動車タイヤ向けになるため、各国の自動車生産・販売台数の動向が注目されます。

特に中国や米国、インド、日本、欧州など主要自動車市場の動向が重視されています。各国の景気動向、それが自動車市場にどのような影響を与えているのかに注目すると良いでしょう。

ただし、タイヤ市場は「新車用」と「買替用（市販用）」の二種類存在します。新車用は新車販売台数と連動しますが、買替用は新車への買い替えを断念した際に販売が増えることもあるため、単純に好景気がポジティブ、不景気がネガティブとは言い切れません。

取引所のゴム在庫の増減も需給バランスを見るうえで重要です。OSEは10日ごとにRSSの倉庫在庫（入庫・出庫・在庫）を発表しています。JPXウェブサイトでもこれを確認することができます。

SHFEも毎週金曜日に天然ゴムの取引所認証在庫を発表しています。中国は世界最大の天然ゴム消費国であり、しかもSHFEは世界最大のゴム先物市場であるため、SHFEの取引所認証在庫はゴム市場関係者から注目されています。

合成ゴムの原料である原油価格動向の他、為替相場の動向にも注意が必要です。円建てのRSSとTSRは円安で値上がり、円高で値下がりする傾向があります。また、上海天然ゴムは人民元建てのため、人民元相場の影響を受けることもあります。その他、中国のマクロ経済指標（製造業PMIなど）に対する関心も高いため、これらの指標の発表前後に価格が大きく動くこともあります。

主要なゴム先物市場

世界のゴム市場は、豊富な生産量を誇るアジアを中心に形成されています。ゴム市場は現物市場とその派生市場である先物市場から構成されており、先物市場ではOSE、SHFE及びシンガポール取引所（SGX）が主要な取引所としてあげられます。なかでも、OSEのゴム先物市場は、日本の商品先物の中で最も歴史があり、需要側、供給側を含めて多くのステークホルダーに活用されており、RSS における国際指標の一つとして認知されています。

なお、世界最大の流動性を持つゴム先物市場はSHFEの天然ゴム先物です。OSEはこのSHFEの天然ゴム先物を対象とした先物も上場商品のラインナップに加えており、様々な市場参加者に取引機会を提供しています。

指数名	現在値	前日比
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NYダウ	{{dji.close}} ({{dji.time}})	{{dji.side_merge_str}}
米ドル/円	{{jpy_x.close}} ({{jpy_x.time}})	{{jpy_x.side_merge_str}}
WTI原油	{{vnm_two.close}} ({{vnm_two.time}})	{{vnm_two.side_merge_str}}
NY金	{{vcm_one.close}} ({{vcm_one.time}})	{{vcm_one.side_merge_str}}
グロース250	{{mthr.close}} ({{mthr.time}})	{{mthr.side_merge_str}}
上海総合指数	{{ssec.close}} ({{ssec.time}})	{{ssec.side_merge_str}}

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