ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は10~20トン。6月20日の価格はキロあたり63.77~64.56バーツ、RSS号タイ主要港7月積価格は217.0~219.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、6月10日時点8,511トン(前旬比696トン減)。

 6月上旬の入出庫は入庫607トン、出庫1,303トン。

◆展開予想

 OSEゴムは小幅反発、上海ゴムは週半ばに上昇に転じる場面もあったが上値重く週間では下落する中、OSEゴムも上海ゴムに連動して上昇し中心限月は一時310円まで上昇した後、上海同様に戻り売り圧力強く売り直されると300円台を再度割込んだが、前週比小幅プラス圏は維持して引けている。株式は横ばいから下落、米小売りや鉱工業生産が減速する中で地政学リスクの高まりが下押し要因となったか、商品は貴金属こそ白金が上昇もその他は下落、原油は急騰後に高止まり、ドル円は一時145円台まで円安進行ドル高が進行している。

 6月20日のRSS3号11月限(中心限月)は終値295.4円、週高値310.0円、週安値288.6円。上海天然ゴム先物9月限は終値13,900、週高値14,055、週安値13,750であった。

 現物価格は316円程、売値は小幅上昇に留まるも円安が換算値を押し上げた。上海ゴム指定倉庫在庫は19万トン台前半でほぼ横ばい、新規材料に欠けレンジ内での取引が続いている。OSEゴムは単月1.0円程度の逆鞘で修正の動きが一服、指定倉庫在庫が増加から減少に転じており、当面は国内在庫消化が進みやすいか。タイでは降雨により生産回復が遅れているとみられ価格は小幅上昇も、週末にRSSの取引量は増加、TSR20の鞘付も順鞘方向への修正が進んできたことから、供給回復の兆しの可能性があり週明け以降の取引動向に注意したい。国内ゴムの割安感は拡大しているものの、現物価格下落による割安修正にも留意する時期に差し掛かっており、現物価格動向を確認の上で押し目買い方針を維持したい。中心限月は285.0~305.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp