ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は10~20トン。6月27日の価格はキロあたり63.00~63.50バーツ、RSS号タイ主要港8月積価格は218.0~222.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、6月10日時点8,511トン(前旬比696トン減)。

 6月上旬の入出庫は入庫607トン、出庫1,303トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅上昇、上海ゴムは特段の材料ないものの14,000元を上回って引ける中、OSEゴムも週半ば以降に上海ゴムに連動して上昇に転じ300円台を回復すると、週末にかけてショートカバーとみられる買いが加速し中心限月は一時312.8円まで上昇する場面があった。株式は上昇、中東情勢の悪化に歯止めがかかり、米長期金利が低下する中で株式に資金が流入したか。商品は白金が上昇もその他貴金属は横ばいから下落、原油は大幅下落、ドル円は144円台と小幅ながら円高ドル安が進行している。

 6月27日のRSS3号11月限(中心限月)は終値312.1円、週高値312.8円、週安値292.9円。上海天然ゴム先物9月限は終値14,050、週高値14,175、週安値13,730であった。

 現物価格は318円程、売値は週間では小幅上昇も先物価格上昇に比して上げ幅は限定的。上海ゴム指定倉庫在庫は19万トン台前半でほぼ横ばいも、週末にかけて新規買いの動きがあり取組は増加している。OSEゴムは1-5番限が順鞘に転換、当月は売り物が散見される一方で先限月中心に買い気が強まる展開で先限中心に現物対比での割安修正が進行した。タイでは引続き降雨の影響で生産回復が遅れているとみられるが、RSS取引量は増加傾向にあり、生産増を先取りする形で一部在庫整理の動きが生じているか。また、TSR20の鞘付も逆鞘修正が進展しており今後の生産拡大を示唆している可能性がある。来週は上海ゴム動向に注意した上で、現物動向を見極めつつ、割安圏では押し目買い方針を維持したい。中心限月は300.0~320.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp