ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は20~30トン。8月29日の価格はキロあたり58.39~58.58バーツ、RSS号タイ主要港9月積価格は210.0~214.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、8月10日時点6,687トン(前旬比384トン減)。

 8月上旬の入出庫は入庫699トン、出庫1,083トン。

◆展開予想

 OSEゴムは小幅続落、上海ゴムは週前半にショートカバーとみられる動きから直近高値更新後に下落に転じる中で、OSEゴムも週前半こそ強含む場面があったがその後は売りに押されると、中心限月は一時315.0円まで値を切下げ週間安値圏での引けとなった。株式は横ばいから上昇、米国経済が堅調に推移する中で米国株中心に買い安心感が広がったとみられる。商品は金こそ上昇もその他貴金属や原油は概ね横ばいで方向感に欠ける展開、ドル円は米長期金利の低下もあってか147円程度まで円高ドル安が進行した。

 8月29日のRSS3号1月限(中心限月)は終値315.5円、週高値324.9円、週安値315.0円。上海天然ゴム先物1月限は終値15,845、週高値16,040、週安値15,845であった。

 現物価格は310.0円程、USS価格は前週比で上昇もRSS価格は下落とまちまちだが供給回復期待は高まりつつあるか。上海ゴム指定倉庫在庫は17.8万トン程で概ね横ばいで新規材料にも欠けた。OSEゴム1-6番限の逆鞘幅は拡大一服、国内指定在庫減少は継続するも現物製品価格の下落により期近の割安感解消を受けた売りが散見される一方、期先限月は相対的に下げ幅が少なかった。タイでは雨傾向が続くも価格は下落に転じており増産が本格化している可能性があることに加え、TSR20の順鞘幅拡大傾向も供給増加を示唆しているか。輸入採算面では全限月で割安感が解消されており、現物価格次第では新規入着も期待できるだろう。引続き上海ゴム・現物価格・ドル円の動向を踏まえて慎重に取引を進めたい。中心限月は305.0~325.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp