米軍によるイラン攻撃の可能性は?

著者:菊川 弘之
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 原油高に伴うインフレは米利下げを行うために、避けたいと思われるが、トランプ大統領には「米国が圧倒的な武力を行使しても、イラン側は体制崩壊(全面戦争)を恐れて反撃を限定的なものにとどめた」という過去(ソレイマニ司令官暗殺時等)の成功体験があり、イラン本土の核関連施設やイスラム革命防衛隊(IRGC)重要拠点に対する限定空爆の可能性は残ったままだ。既に2024-2025年のイスラエル・米国による攻撃で、指導者暗殺に伴うハマス・ヒズボラ、イスラム革命防衛隊(IRGC)の指揮系統も整っておらず、イランの反撃能力は限られている。

 交渉の行方次第では、2月末~3月上旬に危機が最も高まる。日本の連休中~月末・月初は注意すべき時間帯。

 双方ともに、自国に有利なように強気姿勢を続けるチキンゲームの時間帯が続く。イランの背後には、中国・ロシアも控えており、イランの問題は、ロシア・ウクライナ停戦協議にも影響を与える。3月には全人代、4月には米中首脳会談も控え、米・中・ロシア間での腹の探り合いと共に、話し合いも並行して行われていると見た方が良い。

 7月の米国独立250周年、11月の中間選挙に向けて、株高・支持率上昇のために、トランプ大統領が、「最も効果的と考える策は何か?」を考えるべきだろう。

 攻撃が限定的なら原油高は一時的(メインシナリオ)。2025年の米国による「真夜中の鉄槌作戦」では、NY原油は70ドル台まで上値を伸ばしたが、攻撃実施が「天井」となり、「知ったら終い」で急反落となった。NY金は、2025年攻撃時には、ほとんど反応しなかった。

 一方、ホルムズ海峡封鎖などになれば、金・原油は暴騰となる(サブシナリオ:確率は低い)。

2025年、米軍はイランの核関連施設3カ所を攻撃

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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