2026年3月後半の金・プラチナ市場展望:地政学リスクとタイムサイクルから読み解く底打ちの兆候

著者:村石 充
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1. 金相場(ゴールド)の変動要因
金価格は3月上旬に一時1オンスあたり5,000ドルを超える歴史的高値を記録しましたが、現在は利益確定売りと米ドル高の影響を受け、4,400ドル前後で一進一退の動きを見せています。

地政学リスクの再燃:
2月末の米・イスラエルによるイラン攻撃を端緒に、中東情勢が急速に緊迫化しました。ホルムズ海峡の封鎖懸念や原油価格の急騰(一時100ドル突破)を受け、安全資産としての買りました。

米FRBの政策金利据え置き:
一方、3月17〜18日のFOMCで政策金利が3.50〜3.75%に据え置かれました。原油高によるインフレ再燃懸念から、パウエル議長が「利下げを急がない」姿勢を強調したことで、米ドル高・金利上昇となり、金価格の上値を抑える要因となっています。

中央銀行の継続的な買い:
世界的なドルの信頼性低下(脱ドル化)を背景に、各国中央銀行が年間850トン規模の買い増しを継続しており、価格の下値を支えています。


2. プラチナ相場の変動要因
プラチナは工業用需要と投資用需要の双方から影響を受けており、直近では1オンスあたり1,800〜2,000ドル台、国内価格では1gあたり10,000円前後で推移しています。

構造的な供給不足:
主要産出国である南アフリカでの電力不足や操業コスト上昇により、供給が伸び悩んでいます。一方で、中国を中心とした宝飾品や、水素エネルギー関連の新たな産業需要が底堅く、需給逼迫が価格を押し上げています。

金・銀との相関と割安感:
歴史的に見て金に対するプラチナの価格が依然として低水準(金の約半分)であることから、金高騰を受けた代替投資先として注目が集まっています。

自動車触媒需要の減退:
一方で、電気自動車(BEV)へのシフトが進み、内燃機関車向けの触媒需要が前年比マイナス3%と予測されていることが、中長期的な重石となっています。

直近の注目ポイント(2026年3月27日時点)
国内価格においては、米国の利下げ先送り観測による円安基調が、円建て価格を高く維持する要因となっています。

イランが停戦案を拒否したとの報道もあり、週末にかけて地政学リスクによる「リスクオフの買い」が入るか、あるいは交渉進展による「失望売り」が出るか、神経質な展開が予想されます。


<ドル建てゴールド:タイムサイクル分析>
3月26日のドル建てゴールドは、5日EMA(4495ドル付近)が抵抗となり、売り優勢の展開に陰線を形成しました。27日の序盤は、買いが先行しており、底固く推移しています。

タイムサイクル分析では、3月23日の安値がボトムとなる可能性が高まっています。
そのため、実線が5日EMA(4480ドル付近)や10日EMA(4602ドル付近)を確定足で上抜ける展開となれば、ボトム完成から上昇波を形成する展開が想定されます。
その場合、3月2日の高値(5417.15ドル)を起点としたトップサイクルは本日で19本目となっており、平均サイクル30本やボトムサイクル36本(仮定)を踏まえると、あと11日~17日程度の上昇波を形成する可能性が高まります。まずは10日EMA(4605ドル付近)を上抜け出来るかが注目されます。

GoldChart_20260327
出所:Win Station

<ドル建てプラチナ:タイムサイクル分析>
3月26日のドル建てプラチナは、10日EMA(1964ドル付近)が抵抗となり、5日EMA(1908ドル付近)を下抜けて陰線を形成しました。27日の序盤は、200日EMA(1792ドル付近)がサポート役となり、買い優勢の展開が続いています。

タイムサイクル分析では、3月23日の安値がボトムとなる可能性が高まっています。
そのため、実線が10日EMA(1954ドル付近)を確定足で上抜ける展開となれば、ボトム完成から上昇波を形成する展開が想定されます。
その場合、トップサイクルは本日で20本目を形成しており、平均サイクル33本を踏まえると、あと13日程度の上昇波を形成する可能性があります。まずは10日EMA(1964ドル付近)を上抜け出来るかが注目されます。

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出所:Win Station

 

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このコラムの著者

村石 充(ムライシ ミツル)
フジトミ証券(株) 投資助言事業部チーフアナリスト / 認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
1996年より金融業界に身を置き、商品先物オプションやFXの自己ディーリングを通じて多様なトレード手法を習得。2007年に日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)を取得。現在はYouTube「フジトミチャンネル」にて、独自のサイクル理論と金融占星術を軸に、プライスアクションや移動平均線を組み合わせた実戦的な相場戦略を配信。投資助言サービスでは、金・白金・原油などの商品先物から、日経225・NASDAQ100といった株価指数まで、エビデンスに基づいた売買タイミングを提供している。