[Vol.2209] 「2010年」は終わりが始まった年だった

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。97.54ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,669.04ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年09月限は17,865元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年06月限は635.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2630.14ドル(前日比41.26ドル縮小)、円建てで14,169円(前日比21円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月11日 18時09分時点 6番限)
24,332円/g
白金 10,163円/g
ゴム 416.6円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金(ゴールド)先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金(ゴールド)先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「『2010年』は終わりが始まった年だった」
前回は、「OPEC脱退でUAEの原油生産は増加する?」と題して、OPECプラス(減産実施19カ国)の原油生産量と協調減産の動向を、確認しました。

今回は、「『2010年』は終わりが始まった年だった」と題して、「2010年」というタイミングについて筆者の考えを、述べます。

読者の皆さまにとって、16年前の2010年はどのような年でしたでしょうか?世の中では、分断深化、民主主義後退が始まり、市場では、株価指数急騰、世界同時株高、金(ゴールド)価格急騰が始まったタイミングでした。

こうした激変が起きていること、その背景は、すべての投資家・市場関係者が知らなくてはならないことだと、筆者は確信しています。中東情勢悪化・ホルムズ海峡封鎖の根底にある原因でもあります。

2010年は、「終わりが始まった年」だったのかもしれません。以下の図のとおり、複数の株価指数が、糸が切れた凧のように上昇し始めたり、株価指数と金(ゴールド)の価格の両方が上昇し始めたり、SNS・AIなどのハイテクのマイナス面がポピュリズムと共鳴し始めたり、世界の自由度・民主度が急低下し始めたりするなど、後戻りできないカオス(混沌:こんとん)に突入し始めたタイミングだからです。

カオスでは、過去の常識は通じません。数十年の経験を持つ金融関係者ほど、2010年ごろ以降の株価指数の急騰ぶりや、株価指数と金(ゴールド)の価格がともに急上昇している背景を、数十年前と同じ熱量で説明することができなくなっているのではないでしょうか。過去の常識が通じないからです。

今、投資家を含むすべての市場関係者は、2010年という年がどんな年であったのかを、知らなければなりません。「今の常識」を知る意味でも、このことは大変に重要です。わかりやすいから、著名人が言っているから、などの理由で過去の常識に縛られたままでは、今の、そしてこれからの、投資に関わる活動はできないでしょう。

図:「2010年」とは?
図:「2010年」とは?
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。