[Vol.2188] 長期視点で急騰中の金(ゴールド)と銀

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。109.53ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。4,721.17ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)休場。

上海原油(上海国際能源取引中心)休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2724.97ドル(前日比28.47ドル拡大)、円建てで14,800円(前日比135円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月6日 17時11分時点 6番限)
24,760円/g
白金 9,960円/g
ゴム 393.0円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY銀先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY銀先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「長期視点で急騰中の金(ゴールド)と銀」
前回は、「コモディティ投資で世界にマウントする」と題して、コモディティ(国際商品)への投資を通じて世界に「マウント」する際のイメージを、確認しました。

今回は、「長期視点で急騰中の金(ゴールド)と銀」と題して、株価指数・金(ゴールド)・銀(シルバー)価格の長期急騰の一因を、確認します。

ニューヨーク金(ゴールド)先物およびニューヨーク銀(シルバー)先物の価格推移を確認します。長期視点では2010年ごろ以降、ともに急騰中、短期視点では2026年3月以降、ともに急落中であることがわかります。

2010年ごろ以降の長期視点の急騰は、図で示した「ハイテク(SNS、AI、ドローンなど)のマイナス面とポピュリズム(人気取り)の相乗効果」が一因で起きている可能性があります。

こうした相乗効果は、図の右側に示した民主主義後退、世界分断深化、資源武器利用横行、長期インフレ継続、通貨の不確実性増、株高への不安拡大などの非伝統的な有事を増幅させ、金(ゴールド)相場を長期視点で「底上げ」したり、急騰させたりしていると、考えられます。

この点は、同じ貴金属に分類される銀(シルバー)相場の長期視点の底上げ・急騰の一因だと言えます。

また、2010年ごろ以降、ハイテクのマイナス面とポピュリズムの相乗効果によって、情報の受け手・発信者の関係の変化、真実の乱立、情報の受け手の受容力低下、かく乱・浸透・分断などの工作の横行などが目立ち、ポピュリズムに拍車がかかっています。

ポピュリズムに拍車がかかると、減税や補助金を求めるクレクレ民主主義と、それに安易に応じるバラマキ政治が拡大しやすくなります。この流れが各種市場に波及し、「金融緩和の催促」が目立ち、通貨ストックの膨張が継続しています。

通貨ストックの膨張は、投機マネーの膨張につながり得ます。2010年ごろ以降は、米国の主要な株価指数の一つであり、日本の投資家の皆さまに広く認知されているS&P500種指数も、長期視点の急騰劇を演じています。(足元では、金(ゴールド)、銀(シルバー)と同様に急落する場面も散見されています)

株価指数の上昇は、産業用金属の需要増加観測を強め、同需要の割合が比較的大きい銀(シルバー)相場の底上げに貢献します。銀(シルバー)の長期視点の底上げ・急騰については、金(ゴールド)高・株価指数高の両面から、説明できます。

図:株価指数・金(ゴールド)・銀(シルバー)価格の長期急騰の一因
図:株価指数・金(ゴールド)・銀(シルバー)価格の長期急騰の一因
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。