今回は、NY金相場の「内部要因(需給・ポジション動向)」を中心に、現在の金市場の裏側で起きている変化と今後の見通しについて解説します。
5月26日時点の米商品先物取引委員会(CFTC)のデータ、および国内JPX金先物のデータを分析したところ、ファンド勢の動きに明確な変化が見られました。ネットロングの減少と総取り組み高の大幅減少は何を意味しているのでしょうか?
1. NY金:弱気転換ではなく「健全なスピード調整」
ファンド勢をはじめとする大口投機玉の動向を詳しく見ると、市場の加熱感を冷ますための動きであることが分かります。
データから見るファンド勢の動向(5月26日時点)
・買い建て玉:20万704枚(前週比から1万枚以上減少)
・売り建て玉:4万644枚(前週比から4,741枚減少)
・買い越し幅(ネットロング):15万4,260枚(前週比から5,573枚減少)
買い建て玉が大きく減少したため、一見するとファンドが弱気に転じた(売り目線になった)ように思われがちです。しかし、重要なのは「売り建て玉も減少している」という点です。
つまり、新規に空売りを仕込んできたわけではなく、これまで保有していた買いポジションの「利益確定(手じまい)」が中心の動きでした。最高値圏での警戒感から、一旦利益を確保しようとする自然な動きと言えます。
総取り組み高の大幅減少が意味すること
市場全体のエネルギーを示す総取り組み高は、37万9,325枚から35万3,489枚へと、約2万6,000枚も大幅に減少しました。
一般的に、相場が本格的な下落トレンド(下降相場)に突入する局面では、新規の売りが増えるため取り組み高は増加する傾向にあります。しかし今回は「売りも買いも両方減っている」状態です。
ここから導き出される結論は、トレンドの弱気転換ではなく、市場参加者全体が一旦リスクポジションを落として様子見姿勢を強めている「スクエアへのポジション調整局面」であるということです。

出所:米国商品先物取引委員会HPより当社作成
2. ドル建てゴールド:テクニカル分析とタイムサイクル
続いて、日足チャートを用いたテクニカル的な視点から、今後の値動きを予測します。
足元の動き:一時4,463ドルまで下落したものの、その後は再び買いが入り底堅い動きを見せています。5月28日には436.23ドルの安値をつけ、長い下ヒゲを形成しました。
上値の重さ:現在は10日・25日移動平均線の下で推移しており、これらが上値の抵抗(レジスタンス)となっています。高値は切り下がっているため、短期的にはやや下向きの推移です。
タイムサイクルによる予測
・トップサイクル:4月17日の高値を起点として、現在35本目を形成中。
・ボトムサイクル:3月23日の安値を起点として、現在54本目を形成中。
もし5月28日の安値(前回ボトムから49本目)でボトムが確定しているならば、今後各移動平均線を上抜けていくことで上昇波へ転じる可能性が高まります。その場合、次のトップ形成まであと14日程度の上昇波(期間)が残されていると考えられます。

出所:Win-station
現在の戦略
現在の金相場は、大口投機玉・取り組み高の減少からも分かる通り、明確な方向感が出ていない「調整・様子見」の局面です。今週末には米雇用統計などの重要指標も控えており、週替わりのタイミングで変化が起きる可能性もあります。
そのため、現段階で長期的なシナリオを決め打ちするのではなく、比較的短期の取引で細かく立ち回る戦略が有効と言えるでしょう。各移動平均線やMACDの転換を見極めながら、慎重にチャンスをうかがっていきましょう。
※日々の具体的な売買シグナルや、より詳細な「7つの戦略ロジック」に基づくレポートは、フジトミ証券の投資助言サービスの公式LINEにて限定配信しています。興味のある方はぜひご活用ください。
5月26日時点の米商品先物取引委員会(CFTC)のデータ、および国内JPX金先物のデータを分析したところ、ファンド勢の動きに明確な変化が見られました。ネットロングの減少と総取り組み高の大幅減少は何を意味しているのでしょうか?
1. NY金:弱気転換ではなく「健全なスピード調整」
ファンド勢をはじめとする大口投機玉の動向を詳しく見ると、市場の加熱感を冷ますための動きであることが分かります。
データから見るファンド勢の動向(5月26日時点)
・買い建て玉:20万704枚(前週比から1万枚以上減少)
・売り建て玉:4万644枚(前週比から4,741枚減少)
・買い越し幅(ネットロング):15万4,260枚(前週比から5,573枚減少)
買い建て玉が大きく減少したため、一見するとファンドが弱気に転じた(売り目線になった)ように思われがちです。しかし、重要なのは「売り建て玉も減少している」という点です。
つまり、新規に空売りを仕込んできたわけではなく、これまで保有していた買いポジションの「利益確定(手じまい)」が中心の動きでした。最高値圏での警戒感から、一旦利益を確保しようとする自然な動きと言えます。
総取り組み高の大幅減少が意味すること
市場全体のエネルギーを示す総取り組み高は、37万9,325枚から35万3,489枚へと、約2万6,000枚も大幅に減少しました。
一般的に、相場が本格的な下落トレンド(下降相場)に突入する局面では、新規の売りが増えるため取り組み高は増加する傾向にあります。しかし今回は「売りも買いも両方減っている」状態です。
ここから導き出される結論は、トレンドの弱気転換ではなく、市場参加者全体が一旦リスクポジションを落として様子見姿勢を強めている「スクエアへのポジション調整局面」であるということです。

出所:米国商品先物取引委員会HPより当社作成
2. ドル建てゴールド:テクニカル分析とタイムサイクル
続いて、日足チャートを用いたテクニカル的な視点から、今後の値動きを予測します。
足元の動き:一時4,463ドルまで下落したものの、その後は再び買いが入り底堅い動きを見せています。5月28日には436.23ドルの安値をつけ、長い下ヒゲを形成しました。
上値の重さ:現在は10日・25日移動平均線の下で推移しており、これらが上値の抵抗(レジスタンス)となっています。高値は切り下がっているため、短期的にはやや下向きの推移です。
タイムサイクルによる予測
・トップサイクル:4月17日の高値を起点として、現在35本目を形成中。
・ボトムサイクル:3月23日の安値を起点として、現在54本目を形成中。
もし5月28日の安値(前回ボトムから49本目)でボトムが確定しているならば、今後各移動平均線を上抜けていくことで上昇波へ転じる可能性が高まります。その場合、次のトップ形成まであと14日程度の上昇波(期間)が残されていると考えられます。

出所:Win-station
現在の戦略
現在の金相場は、大口投機玉・取り組み高の減少からも分かる通り、明確な方向感が出ていない「調整・様子見」の局面です。今週末には米雇用統計などの重要指標も控えており、週替わりのタイミングで変化が起きる可能性もあります。
そのため、現段階で長期的なシナリオを決め打ちするのではなく、比較的短期の取引で細かく立ち回る戦略が有効と言えるでしょう。各移動平均線やMACDの転換を見極めながら、慎重にチャンスをうかがっていきましょう。
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