[Vol.2257] 円安は金(ゴールド)投資に影響するの?

著者:吉田 哲
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原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。79.56ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。4,038.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年09月限は16,905元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年09月限は514.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2361.4ドル(前日比48.70ドル縮小)、円建てで13,065円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月16日 18時36分時点 6番限)
21,525円/g
白金 8,460円/g
ゴム 425.4円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「円安は金(ゴールド)投資に影響するの?」
前回は、「金(ゴールド)とプラチナの違いとは?」と題して、金(ゴールド)とプラチナの積立シミュレーションについて、述べました。

今回は、「円安は金(ゴールド)投資に影響するの?」と題して、ドル建て・円建て金(ゴールド)とドル円の推移(2022年2月を100として指数化)について、述べます。

(全前回述べた)ブースでは、さまざまなご質問をいただきました。ドル建てと円建てという、通貨建ての違いに関するご質問もありました。投資信託で言えば、為替ヘッジありと為替ヘッジなし、です。

国内地金商の金(ゴールド)店頭小売価格をイメージします。国内地金商の店頭小売価格は、本体価格に消費税を加えた額です。本体価格は、世界の中心であるドル建ての金(ゴールド)価格とドル円相場で計算された円建て換算価格に諸経費を加えた価格です。

つまり、国内店頭小売価格は、国内の金(ゴールド)の需給バランスよりも、世界の中心のドル建て金(ゴールド)価格やドル円相場の動向によって動いているといえます。基本的には、国内店頭小売価格は世界の中心であるドル建て金(ゴールド)価格に追随します。

ただし、ドル円相場が急変した場合、国内店頭小売価格は、ドル建て金(ゴールド)価格と異なる方向に動くこともあります。以下の図は、ウクライナ戦争が勃発した2022年2月を100として指数化した、ドル建て・円建て金(ゴールド)とドル円相場の推移です。

世界の中心であるドル建て(ゴールド)価格は、下落しました。同戦争が勃発したことを受け、主に西側諸国が戦争を勃発させたロシアからエネルギーを買わないようにしたことで、インフレ(物価高)がなお進行することを食い止めるため、急激な金利引き上げ(利上げ)を実施し、ドル高が進んだためです。

ドル建て金(ゴールド)市場の短中期的なテーマの一つに「代替通貨(ドルの代わり)」があります。この時に発生した急激なドル高は、ドル建て金(ゴールド)市場に強い下落圧力をかけました。

これにより、同じ短中期的な別のテーマである「伝統的な有事(戦争などが勃発した時に発生する資金の逃避先需要)」による上昇圧力が相殺され、その結果、ドル建て金(ゴールド)価格は下落しました(有事でも金(ゴールド)価格は下落した)。

ですが、円建て金(ゴールド)は大きく上昇しました。ドル高の反対側にある円安が進行したためです。輸入価格が割高になる、他の通貨建ての同じ商品に対する割安感が生じるなどの理由で、円安は円建ての商品全般に上昇圧力をかけます。

当時、大きく上昇した円建て金(ゴールド)価格の動向が、有事の金(ゴールド)と認識されていた節がありました。しかし実際には、円安によって上昇していたのです。それくらい、ドル円の変動は金(ゴールド)相場に影響を及ぼし得る、と言えます。

図:ドル建て・円建て金(ゴールド)とドル円の推移(2022年2月を100として指数化)

出所:各種情報源より筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。