貯金一択は危険? 資産を守る金(ゴールド)の力

著者:村石 充
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なぜ今、貯金だけでは危険なのか? そしてなぜ、世界中の投資家が金(ゴールド)を選ぶのか? その理由を、初心者の方にも分かりやすく解説します。

1. 「100万円」が目減りする?インフレという「静かな泥棒」

私たちが気づかないうちに、現金の価値をじわじわと削り取っている正体、それがインフレ(物価上昇)です。

たとえば、10年前と比べて、マクドナルドのハンバーガーや自動販売機のジュース、電気代などはどれくらい値上がりしたでしょうか。
もし物価が全体で10%上がったとしたら、あなたの銀行口座にある「100万円」という数字は変わりませんが、その100万円で買えるものの量は10%減ってしまったことになります。実質的に、価値が90万円に目減りしたのと同じです。

「お金(通貨)は、国が発行枚数を増やせば増やすほど、1枚あたりの価値が下がってしまう」

これが、今の世界で起きている現金の最大のリスクです。超低金利の日本でお金を銀行に預けていても、物価上昇のスピードには到底追いつきません。

2. 金(ゴールド)が上がっているのではない、「お札」の価値が下がっている

では、なぜ金価格はこれほどまでに上昇しているのでしょうか?
実は、金(ゴールド)そのものの価値が急激にパワーアップしたわけではありません。本質は逆です。「世界中のお札(通貨)の価値が下がっているから、相対的に金の価格が上がって見える」のです。

金(ゴールド)には、人間が作り出すお札とは決定的な違いがあります。

・お札(円やドル):国の都合や経済政策で、いくらでも印刷して増やせる。

・金(ゴールド):地球上に存在する総量が決まっており、人工的に作り出すことが絶対にできない。

これまで人類が掘り起こした金の総量は、オリンピック公式プール約4杯分程度と言われています。この圧倒的な「希少性」があるからこそ、金は数千年前から現代に至るまで、世界共通の「価値の保存先」として認められ続けているのです。国が破産してお札がただの紙切れになっても、金の価値がゼロになることはありません。

3. 金は利息を生まない、それなのに選ばれる理由

投資の世界ではよく「金は株や債券と違って、持っているだけでは利息や配当を生まない(からダメだ)」と言われることがあります。

それにもかかわらず、なぜ今、世界中のお金持ちや、さらには「世界の中央銀行」までもがこぞって金(ゴールド)を爆買いしているのでしょうか?

理由はシンプルです。「インフレの不安心理」や「地政学リスク(戦争や対立)」が高まった時、金(ゴールド)はあらゆる資産の中で最強の『盾(防衛策)』になるからです。
利息は生まなくても、「目減りしない」「誰の借金でもない(国が破綻しても連鎖倒産しない)」という絶対的な安心感が、今の不安定な世界情勢において、何よりの価値を持っています。

資産の「すべて」を金(ゴールド)にする必要はない

ここまで現金の不都合な真実を語ってきましたが、「じゃあ貯金を全部解約して金(ゴールド)を買うべきか?」というと、それは極端すぎます。金(ゴールド)は価格の波(値動き)があるため、一気に買いすぎると高値掴みのリスクがあるからです。

大切なのは、「自分の資産を『日本円(貯金)』という1つのカゴだけに盛っておくリスク」に気づくことです。

資産の一部(たとえば5%〜10%など)を、インフレに強い「金(ゴールド)」に変えて持っておく。これだけで、あなたの資産の安全性はグッと高まります。最近では、毎月数千円から自動で買える「純金積立」や、証券口座で株のように1口単位で買える「金ETF」など、初心者でも手軽に始められる仕組みがたくさん用意されています。

インフレという見えないリスクから資産を防衛するために、まずは「貯金だけに頼らない仕組み」を作っていきましょう。

 

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このコラムの著者

村石 充(ムライシ ミツル)
フジトミ証券(株) 投資助言事業部チーフアナリスト / 認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
1996年より金融業界に身を置き、商品先物オプションやFXの自己ディーリングを通じて多様なトレード手法を習得。2007年に日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)を取得。現在はYouTube「フジトミチャンネル」にて、独自のサイクル理論と金融占星術を軸に、プライスアクションや移動平均線を組み合わせた実戦的な相場戦略を配信。投資助言サービスでは、金・白金・原油などの商品先物から、日経225・NASDAQ100といった株価指数まで、エビデンスに基づいた売買タイミングを提供している。