JPX金一時2.2万円割れ、日米の利上げ観測がダブルの重石に

著者:村石 充
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JPX金標準先物は、8月25日に付けた高値2万4640円を起点に調整色を強めており、9月9日の取引では一時2万1973円まで売り込まれました。

現在の国内金相場を押し下げている主な要因は、「米利上げ観測の再燃によるドル建て金の上値の重さ」と「日銀の追加利上げ観測に伴う円買い・ドル売り」です。

8月に発表された米雇用統計は市場予想を大幅に上回る強い結果(16.2万人増)となり、米労働市場の「底堅さ」があらためて意識されました。インフレの高止まり懸念がくすぶる中、市場では利下げ観測が一転し、9月のFOMCでFRBが利上げに踏み切る確率が6割近くまで上昇しています。トランプ大統領からは激しい利下げ要求やFRBへの政治介入が強まるものの、ウォーシュFRB議長はタカ派姿勢を堅持しており、米金利の上昇が金利を生まないドル建て金価格の直接的な下押しの圧力となっています。

一方、国内市場でも日銀による追加利上げ観測が根強く、為替市場では円買いが先行しやすい状況です。米国の追加利上げ観測による「ドル建て金価格の下落」と、日銀のタカ派姿勢による「円高」が同時に進行することで、国内金先物は二重の逆風(アドバース・ウィンド)に直面する格好となりました。

目先の最大の焦点は、今月中旬に控える9月のFOMCおよび日銀金融政策決定会合です。FRBが実際に利上げを決め、日銀もタカ派姿勢を強めれば、金相場は下値を模索する局面が続く可能性があります。政策決定後の市場の織り込み状況と為替の反応から目が離せません。


出所:Win-Station

 

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このコラムの著者

村石 充(ムライシ ミツル)
フジトミ証券(株) 投資助言事業部チーフアナリスト / 認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
1996年より金融業界に身を置き、商品先物オプションやFXの自己ディーリングを通じて多様なトレード手法を習得。2007年に日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)を取得。現在はYouTube「フジトミチャンネル」にて、独自のサイクル理論と金融占星術を軸に、プライスアクションや移動平均線を組み合わせた実戦的な相場戦略を配信。投資助言サービスでは、金・白金・原油などの商品先物から、日経225・NASDAQ100といった株価指数まで、エビデンスに基づいた売買タイミングを提供している。