[Vol.2285] 金(ゴールド)と他の貴金属という分類

著者:吉田 哲
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原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。81.33ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。4,662.39ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は18,770元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年10月限は582.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2,814.79ドル(前日比3.14ドル拡大)、円建てで15,044円(前日に発会したため前日比なし)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月27日 15時06分時点 6番限)
24,331円/g
白金 9,287円/g
ゴム 443.5円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「金(ゴールド)と他の貴金属という分類」
前回は、「『古い教科書』では分析できない」と題して、近年の米国株とドル建て金(ゴールド)などの値動きの関係について、述べました。

今回は、「金(ゴールド)と他の貴金属という分類」と題して、主要四金属の需要内訳(2025年、銅は2024年)について、述べます。

2025年の鉱山生産量について、白金(プラチナ)を1として比較すると、金(ゴールド)はおよそ21、銀(シルバー)はおよそ151です。

非鉄金属に分類される銅(13万3,411)と大きく異なります。希少性がある(生産量が少ない)ことが、金(ゴールド)、銀(シルバー)、白金(プラチナ)が貴金属と呼ばれるゆえんです。

一方で、一口に「貴金属」と言っても、需要内訳においては、大きな相違があります。以下の図のとおり、金(ゴールド)の需要は投資、宝飾品、中央銀行の退蔵が中心です。これに対して銀(シルバー)と白金(プラチナ)は、産業用途の割合が高い傾向があります。

銀(シルバー)は太陽光発電装置などの電子・電気に関わる需要が、プラチナは自動車排ガス浄化装置を中心とした需要が、大きな割合を占めます。

基本的に、金(ゴールド)、銀(シルバー)、白金(プラチナ)という貴金属において、価格動向をけん引する役割を担っているのは、金(ゴールド)です。現物や先物市場で最も活発に取引されているためです。このため、金(ゴールド)の上昇(下落)は他の貴金属の上昇(下落)を、促す傾向があります。

ただ、需要内訳を踏まえ、あえて違いに着目すると、金(ゴールド)は通貨・投資という「金融」の性格が強く、銀(シルバー)と白金(プラチナ)は「産業」の性格が強い、といえます。

金(ゴールド)が金融的な性格から貴金属市場全体をけん引しているさなか、同時に景気回復期待が強まった時は、産業的な性格を持つ銀(シルバー)や白金(プラチナ)への上昇圧力が上乗せされる構造があるといえます。以前の「 [Vol.2282] 貴金属価格、1カ月で10%以上上昇」で触れた図でも、確認できます。

図:主要四金属の需要内訳(2025年、銅は2024年)
図:主要四金属の需要内訳(2025年、銅は2024年)
出所:World Gold Council、Johnson Matthey、Silver Instituteなどのデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。