原油反落。中東情勢の鎮静化期待などで。96.94ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。4,208.62ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は19,850元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年12月限は711.8元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2,559.87ドル(前日比11.27ドル拡大)、円建てで13,653円(前日比17円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月16日 18時05分時点 6番限)
金 21,773円/g
白金 8,120円/g
ゴム 452.9円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「自由民主主義指数はプラチナ反発を示唆」
前回は、「光も影もプラチナ相場を支援する要因に」と題して、「光と影の同時拡大」がもたらすプラチナ相場への影響について、述べました。
今回は、「自由民主主義指数はプラチナ反発を示唆」と題して、金(ゴールド)価格と自由民主主義指数(世界人口加重平均)の推移について、述べます。
前々回と前回、2010年ごろから、「非伝統的な有事」が世界的に目立ち始めたと述べました。世界分断深化、民主主義の後退、ドル覇権の不透明感増大、新技術起因の混乱拡大、資源武器利用の横行、長期視点のインフレ継続などが、同時進行し始めたタイミングが、2010年ごろでした。
こうしたいくつもの新しいタイプの有事(非伝統的な有事)のうち、民主主義の後退について述べます。以下の図は、世界全体の民主主義の状態を表す自由民主主義指数(世界人口加重平均)の推移を示しています。
自由民主主義指数は、V-Dem研究所(スウェーデン)が、関連する多数のデータを用い、国や地域の自由の度合いや民主主義の度合いを数値化したものです。上昇すればするほど、その国・地域の自由度・民主度が高くなっていることを、低下すればするほど、その国・地域の自由度・民主度が低くなっていることを意味します。
「非伝統的な有事」が世界的に目立ち始めたと述べた2010年ごろから、急激な低下が始まったことが分かります。自由民主主義指数は、「非伝統的な有事」が世界的に目立ち始めたことを示す、重要なデータの一つであるといえます。
自由民主主義指数の急低下(非伝統的な有事の一つの顕在化)と同時に、金(ゴールド)の価格が急上昇したことも、この図で確認できます。こうした金(ゴールド)価格の上昇は、プラチナ価格を押し上げる要因になり得ます。
プラチナの主要な鉱山生産国の自由民主主義指数の推移に注目します。世界全体の自由民主主義指数の動きと同様、2010年ごろ以降、南アフリカ、ロシア、ジンバブエ、北米、いずれも低下しています。
自由の度合いや民主主義の度合いが低下することによって、横行しやすくなることがあります。非伝統的な有事のひとつに挙げた「資源の武器利用」です。
特に民主主義の度合いが低下すると、世界的なルールを順守するムードが後退します。世界的なルールを順守するムードが後退することは、世界的な秩序の崩壊→自国優先主義の台頭→資源を持っている国による資源の武器利用(出し渋り)の横行、という流れを加速させる要因になります。
資源を持っている国にとって資源の武器利用は、自国の安定供給を図ったり、世界全体の需給を引き締めて価格を高止まりさせたり、供給相手国に対する影響力を大きくしたりするなど、複数のメリットを一度に享受できる策だといえます。
プラチナの主要な鉱山生産国において自由民主主義指数が一様に低下していることは、年々、資源の武器利用が横行する懸念が高まっていることを示唆しているといえます。この点もまた、プラチナ価格の上昇要因になり得ます。
プラチナの独自の材料(テーマ)である、プラチナの国別鉱山生産量の推移に注目します。先ほど、これらの国・地域の自由民主主義指数が2010年ごろから一様に低下していることを確認しました。その上で、年々、資源の武器利用が横行する懸念が大きくなっていると述べました。
実際のところ、すでにプラチナの鉱山生産量は全体として減少傾向にあります。さまざまな政情不安や、それをきっかけとした鉱山の環境に関わるインフラの整備に支障が生じていることなどが、同時進行していることが背景に挙げられます。資源の武器利用については、すでに始まっており、今後さらに拡大する可能性があります。
次に、プラチナの自動車排ガス浄化装置向け需要の推移に注目します。同需要は、プラチナにおいて最も規模が大きい需要です。
プラチナ価格が長期低迷を強いられ、金(ゴールド)との価格差が異常なまでに拡大したきっかけの一つとなった「フォルクスワーゲン問題発覚」によって、激減するとの思惑が世界中に広がった需要です。
実際のところ、2015年の同問題発覚以降、大きな減少は見られませんでした。新型コロナショックが発生したことを受けて、2020年に大きく減少しましたが、その後は回復傾向を強め、近年はすでに2015年とほぼ同じ水準です。
2025年半ば以降、プラチナ価格と金(ゴールド)価格はともに、短期視点で一定の高い水準を維持しています。このこともまた、だんだんと、フォルクスワーゲン問題発覚がもたらすマイナス面の影響が、プラチナ相場において減退してきていることを示しているといえます。
さらには、かつて電気自動車(EV)の普及で世界をけん引することを目指した欧州連合(EU)が、近年、排ガス浄化装置を搭載するエンジン車を一部、容認する姿勢を示しており、プラチナの需要が増加する観測が浮上しています。
以上、数回に分けて、プラチナに関わる全体観を述べました。その上で、「プラチナ積立を続けても大丈夫?」というご質問への筆者の回答は「大丈夫だろう」です。
短期視点で、プラチナも金(ゴールド)も比較的高い水準の節目を維持しています。また、プラチナ相場をけん引する金(ゴールド)も長期視点で上昇する可能性があり、かつプラチナ独自の材料も目立ち始めています。社会全体の光と影の膨張も複数の経路でプラチナ相場を支援する要因になり得ます。
さらには、世界全体の自由民主主義指数の低下は、非伝統的な有事の拡大→金(ゴールド)相場上昇→プラチナ相場上昇、個別の鉱山生産国の同指数の低下は、資源武器利用の横行の懸念増大→プラチナ相場上昇、というシナリオを補完しているといえます。
積立は、時間をかける投資手法です。短期視点の価格の上下はもちろん気になると思います。しかし、時間をかける取引手法だからこそ、長期視点のテーマに注目することが重要だといえます。
図:金(ゴールド)価格と自由民主主義指数(世界人口加重平均)の推移

出所:世界銀行およびV-Dem研究所のデータを基に筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。4,208.62ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。27年01月限は19,850元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。26年12月限は711.8元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2,559.87ドル(前日比11.27ドル拡大)、円建てで13,653円(前日比17円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月16日 18時05分時点 6番限)
金 21,773円/g
白金 8,120円/g
ゴム 452.9円/kg
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「自由民主主義指数はプラチナ反発を示唆」
前回は、「光も影もプラチナ相場を支援する要因に」と題して、「光と影の同時拡大」がもたらすプラチナ相場への影響について、述べました。
今回は、「自由民主主義指数はプラチナ反発を示唆」と題して、金(ゴールド)価格と自由民主主義指数(世界人口加重平均)の推移について、述べます。
前々回と前回、2010年ごろから、「非伝統的な有事」が世界的に目立ち始めたと述べました。世界分断深化、民主主義の後退、ドル覇権の不透明感増大、新技術起因の混乱拡大、資源武器利用の横行、長期視点のインフレ継続などが、同時進行し始めたタイミングが、2010年ごろでした。
こうしたいくつもの新しいタイプの有事(非伝統的な有事)のうち、民主主義の後退について述べます。以下の図は、世界全体の民主主義の状態を表す自由民主主義指数(世界人口加重平均)の推移を示しています。
自由民主主義指数は、V-Dem研究所(スウェーデン)が、関連する多数のデータを用い、国や地域の自由の度合いや民主主義の度合いを数値化したものです。上昇すればするほど、その国・地域の自由度・民主度が高くなっていることを、低下すればするほど、その国・地域の自由度・民主度が低くなっていることを意味します。
「非伝統的な有事」が世界的に目立ち始めたと述べた2010年ごろから、急激な低下が始まったことが分かります。自由民主主義指数は、「非伝統的な有事」が世界的に目立ち始めたことを示す、重要なデータの一つであるといえます。
自由民主主義指数の急低下(非伝統的な有事の一つの顕在化)と同時に、金(ゴールド)の価格が急上昇したことも、この図で確認できます。こうした金(ゴールド)価格の上昇は、プラチナ価格を押し上げる要因になり得ます。
プラチナの主要な鉱山生産国の自由民主主義指数の推移に注目します。世界全体の自由民主主義指数の動きと同様、2010年ごろ以降、南アフリカ、ロシア、ジンバブエ、北米、いずれも低下しています。
自由の度合いや民主主義の度合いが低下することによって、横行しやすくなることがあります。非伝統的な有事のひとつに挙げた「資源の武器利用」です。
特に民主主義の度合いが低下すると、世界的なルールを順守するムードが後退します。世界的なルールを順守するムードが後退することは、世界的な秩序の崩壊→自国優先主義の台頭→資源を持っている国による資源の武器利用(出し渋り)の横行、という流れを加速させる要因になります。
資源を持っている国にとって資源の武器利用は、自国の安定供給を図ったり、世界全体の需給を引き締めて価格を高止まりさせたり、供給相手国に対する影響力を大きくしたりするなど、複数のメリットを一度に享受できる策だといえます。
プラチナの主要な鉱山生産国において自由民主主義指数が一様に低下していることは、年々、資源の武器利用が横行する懸念が高まっていることを示唆しているといえます。この点もまた、プラチナ価格の上昇要因になり得ます。
プラチナの独自の材料(テーマ)である、プラチナの国別鉱山生産量の推移に注目します。先ほど、これらの国・地域の自由民主主義指数が2010年ごろから一様に低下していることを確認しました。その上で、年々、資源の武器利用が横行する懸念が大きくなっていると述べました。
実際のところ、すでにプラチナの鉱山生産量は全体として減少傾向にあります。さまざまな政情不安や、それをきっかけとした鉱山の環境に関わるインフラの整備に支障が生じていることなどが、同時進行していることが背景に挙げられます。資源の武器利用については、すでに始まっており、今後さらに拡大する可能性があります。
次に、プラチナの自動車排ガス浄化装置向け需要の推移に注目します。同需要は、プラチナにおいて最も規模が大きい需要です。
プラチナ価格が長期低迷を強いられ、金(ゴールド)との価格差が異常なまでに拡大したきっかけの一つとなった「フォルクスワーゲン問題発覚」によって、激減するとの思惑が世界中に広がった需要です。
実際のところ、2015年の同問題発覚以降、大きな減少は見られませんでした。新型コロナショックが発生したことを受けて、2020年に大きく減少しましたが、その後は回復傾向を強め、近年はすでに2015年とほぼ同じ水準です。
2025年半ば以降、プラチナ価格と金(ゴールド)価格はともに、短期視点で一定の高い水準を維持しています。このこともまた、だんだんと、フォルクスワーゲン問題発覚がもたらすマイナス面の影響が、プラチナ相場において減退してきていることを示しているといえます。
さらには、かつて電気自動車(EV)の普及で世界をけん引することを目指した欧州連合(EU)が、近年、排ガス浄化装置を搭載するエンジン車を一部、容認する姿勢を示しており、プラチナの需要が増加する観測が浮上しています。
以上、数回に分けて、プラチナに関わる全体観を述べました。その上で、「プラチナ積立を続けても大丈夫?」というご質問への筆者の回答は「大丈夫だろう」です。
短期視点で、プラチナも金(ゴールド)も比較的高い水準の節目を維持しています。また、プラチナ相場をけん引する金(ゴールド)も長期視点で上昇する可能性があり、かつプラチナ独自の材料も目立ち始めています。社会全体の光と影の膨張も複数の経路でプラチナ相場を支援する要因になり得ます。
さらには、世界全体の自由民主主義指数の低下は、非伝統的な有事の拡大→金(ゴールド)相場上昇→プラチナ相場上昇、個別の鉱山生産国の同指数の低下は、資源武器利用の横行の懸念増大→プラチナ相場上昇、というシナリオを補完しているといえます。
積立は、時間をかける投資手法です。短期視点の価格の上下はもちろん気になると思います。しかし、時間をかける取引手法だからこそ、長期視点のテーマに注目することが重要だといえます。
図:金(ゴールド)価格と自由民主主義指数(世界人口加重平均)の推移

出所:世界銀行およびV-Dem研究所のデータを基に筆者作成
