減産実施は、ニュースリリースの件数を減少させる?

原油
著者:吉田 哲
原油反発。主要株価指数の反発などで。27.16ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,698.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は9,865元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年06月限は297.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで954.9ドル(前日比7ドル縮小)、円建てで3,225円(前日比14円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(4月7日 19時3分頃 先限)
 5,772円/g 白金 2,547円/g 原油 25,860円/kl
ゴム 149.6円/kg とうもろこし 23,000円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「減産実施は、ニュースリリースの件数を減少させる?」

今回は「減産実施は、閉塞感を発生させる!?」として、2017年1月に始まり2020年3月に終了したOPECプラスの協調減産の前後に、OPECのウェブサイトに掲載されたニュースリリースの件数の推移に注目します。

OPECのウェブサイトのニュースリリースのページには、さまざまな内容のリリース文が掲載されています。

例えば、OPEC総会の冒頭のあいさつのメッセージ、総会の議事録的なもの、減産監視委員会での報告事項、IEAなどの他の機関と連携して行ったイベントの報告など、実にさまざまです。

以下のグラフは、2017年1月の協調減産開始前後から終了までのニュースリリースの件数の推移を示しています。

2017年1月の協調減産開始前後の件数が多いことがわかります。

協調減産を開始する前に減産を実施することを示唆した臨時総会や、減産を実施することを決定した総会、総会翌日の非OPECとの会合の議事録的な内容、そして減産開始後は減産監視委員会の減産順守率の報告など、減産に関わる情報配信が積極的に行われていました。

それが、減産が始まって時間が経つにつれて、どんどんと件数が減少していきました。

筆者が感じているのは、減産監視委員会の報告が減少した点です。

減産開始当初から徐々に報告の件数が、数カ月に1回程度に減り、そして直近では報告すら行われなくなりました。

減産順守率を公表する減産監視委員会の報告件数が減少したのは、減産順守が難しくなったことと無関係ではないと筆者は思います。

3年3カ月間続いた協調減産でしたが、あえて原油生産量を減らして自らの収益を減少させる減産を続ける期間が長くなれば長くなるほど、減産実施国は疲弊していくのだと思います。

だんだん閉塞感が出てきて、減産順守が厳しくなり、その結果、報告ができなくなり、ニュースリリースの件数が減少したのだと思います。

図:OPECのウェブサイトのニュースリリースの件数 単位:件
OPECのウェブサイトのニュースリリースの件数

出所:OPECの資料より筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。