鞘の変化は、相場の転機(NY原油)

著者:菊川 弘之
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 週末のNY原油(5月限)は、需給悪化見通しから大幅下落。本日の時間外も続落。約19年ぶりの安値を付けた。5月限が21日の納会を控えて買い方の手仕舞いから投げが投げを呼ぶ展開となっている。

 ただし、今後中心限月となる6月限は、5月限に引きずられる形で下落したが、引けは25ドル台を回復。本日の時間外でも22ドル台まで売られたが、23ドル台を回復している。

 今週は、6月限が5月限に鞘寄せする格好で、鞘滑り(価格下落)するか否かが焦点。原油と相関の高いNY株は堅調が続いており、納会で流れが変わる可能性もあるだろう。「鞘の変化は、相場の転換」とも言われ、順ザヤ拡大の流れが一服してくれば、底打ちも意識されてくる。

 米国内石油掘削リグ稼働数は、前週比66基減の438基と、2016年10月以来の低水準に落ち込み、ようやくシェールオイルの生産量も減少してきている。

 欧米での感染拡大が頭打ち傾向となってくれば、納会をきっかけに、これまでの下落の流れに変化が出てくるかもしれない。鞘の変化に注目したい。早ければ5月限納会、遅くとも6月限納会までには、順鞘拡大から同鞘への移行が出てくるだろう。
 

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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