政治と原油価格に翻弄されるノースダコタ州

原油
著者:吉田 哲
原油反落。主要株価指数の反落などで。38.06ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,721.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,325元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年08月限は294.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで893.75ドル(前日比1.15ドル拡大)、円建てで3,152円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(6月17日 19時50分頃 先限)
 5,941円/g 白金 2,789円/g 原油 27,640円/kl
ゴム 157.7円/kg とうもろこし 22,730円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「政治と原油価格に翻弄されるノースダコタ州」

今回は「政治と原油価格に翻弄されるノースダコタ州」として、EIA(米エネルギー省)が6月15日(月)に公表した米シェール主要地区の各種データから“バッケン地区”のデータに注目します。

以下のグラフは、バッケン地区の新規油井の原油生産量を示しています。

バッケン地区は、カナダと接する米国北部、ノース・ダコタ州(一部モンタナ州)にあります。

ノースダコタ州と言えば、以下の出来事がありました。

・2017年1月、米大統領に就任したてのトランプ氏が、同州内にある神聖な湖が環境汚染で脅かされると建設継続を反対していた原住民の意に反し、ダコタ・アクセスパイプライン(以下、DAPL)のプロジェクトを承認した。

・以前の「原油価格の上下によらず、生産が増える米シェール主要地区」で述べたとおり、DAPLが開通したタイミングから、バッケン地区の原油生産量が増加した。

・今年3月中旬、同州の議員ケビンクレーマー上院議員は下院議員時代から、トランプ氏(大統領選挙当選前から)に、エネルギー政策についてアドバイスする機会があった。2020年3月には、トランプ大統領にサウジからの原油輸入量を停止するよう勧告した。

・今年3月下旬、DAPLをめぐる訴訟で、原住民の主張が認められ、環境調査のやり直しが命じられた。

・今年4月、バッケン地区最大のシェール業者だったホワイティング社が4月に破綻した。

政治要因で同地区の原油生産量が増加したものの、新型コロナショックやOPECプラスが減産を停止したことなどで発生した原油価格の急落・低迷を受け、地元としてホワイティング社を支えきれなくなり、同社が破綻し、同地区の新規の原油生産量が減少したと考えられます。

DAPLをめぐる訴訟で原住民の主張が認められたのは、ホワイティング社が破綻し、同地区の原油生産量が減少することが確実となり、DAPLを使用する理由が低減したため、なのかもしれません。

図:バッケン地区の新規油田からの原油生産量(筆者推計) 単位:万/バレル
バッケン地区の新規油田からの原油生産量(筆者推計)

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。