NY金、もち合い上放れなら上げ加速へ

著者:菊川 弘之
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 また、アストロージでは、水星のテーマは「コミュニケーション」だが、ミスコミュニケーションから不安定になりやすいとも言われる。丁度、「水星逆行」のオーブ(許容範囲:通常サイクルの6分の1)期間に、中国軍とインド軍の国境付近での衝突、北朝鮮による南北共同連絡事務所爆破などが起きている。

 特に今回は、「水星の逆行期」と「金星逆行期(5月13日~6月25日)」が重なる。アストロロジーにおいて、金星は「美と安全」に関連している。金融市場においては、この時期は困難で予測不可能な環境になりやすく、中央銀行や政府のリーダーシップが重要な政策を根本から方向転換させるとも言われる。

 本日、東京時間の午前中にナバロ大統領補佐官の「中国との貿易交渉は終わった」との発言が伝わり、一時的に株売り・金買いで反応した。詳細が不明で、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表の見解待ちとなっていたが、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が「中国との通商交渉は終わっていない。通商交渉が終わったというのは完全に間違ってる」とナバロ発言を否定すると、ドル買い・金売りで反応するなど、水星逆行期らしいアップダウンとなっている。

 7月4日の米独立記念日前後は、薄商いで値が跳びやすい。仮に、NY金のもち合いが下放れとなった場合、ダマシとなる可能性にも注意したい。安値売り込みは避け、押し目買い、レンジ上放れなら、追撃買い戦術をベースに考えたい。

 ゴールドマン・サックスは19日付のリポートで「実質金利の低下などを背景に金投資の需要が増す」と指摘。今後1年の金価格見通しを引き上げている。3カ月見通しは1オンス=1800ドル(従来予想1600ドル)、6カ月見通しは1900ドル(従来予想1650ドル)、12カ月見通しは2000ドル(従来予想1800ドル)と、それぞれ引き上げた。
 

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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