週刊石油展望

著者:三浦 良平
 先週末のWTI原油は前週比4.89ドル安の35.47ドル、ブレント原油は同5.36ドル安の36.86ドルとなった。

 前週末の海外原油は反落。米国の追加経済対策の協議の結果待ちとなるなか、株高が一服したことが圧迫要因となり原油の上値を抑えた。

 週明け26日は続落。各国で新型コロナの第2波が広まったことが石油需要の下振れ懸念を強めることとなったほか、リビアで内戦が沈静化し、生産が回復していることも要因となった。また米大統領選後の景気見通しが不透明であることも重しとなった模様。27日は反発。熱帯性暴風雨「ゼータ」がメキシコ湾岸に向かっていることで米原油生産が一時的に減少していることが相場を押し上げた。28日は反落。欧州を中心に新型コロナの再流行が顕著となっており、フランスやドイツで再び都市封鎖が行われる方向にあることから石油需要が減少する見通しとなっている。またEIA週報で原油在庫が増加したことも相場を押し下げる要因となった。翌29日は大幅続落。引き続き、欧州での新型コロナ感染拡大が重しとなったことに加え、OPECの一部の国から来年以降の減産継続に対して懸念を示したことから売り優勢となった。

原油チャート

 海外原油相場は直近のレンジ相場を下抜ける展開となった。欧米での新型コロナ感染拡大が重しとなる中、来週は米大統領選挙を控えており、市場では株式市場も含めリスク回避の動きが続いている。市場ではトランプ、バイデンのどちらが勝つにせよ圧勝を望んでおり、激戦で確定が長引くと一層の株価下落、米長期金利の急低下が懸念されている。原油市場では買い方の投げがレンジ底割れでかなり出たとみるが、V字回復的な上昇には時間がかかるとみられる。当面は米大統領選や新型コロナ感染拡大等の懸念材料が大きく慎重な対応で取引に臨みたいところだ。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長代理として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。