週刊石油展望

著者:三浦 良平
 先週末のWTI原油は前週比1.90ドル高の37.37ドル、ブレント原油は同3.03ドル高の39.89ドルとなった。

 前週末の海外原油は続落。新型コロナウィルス感染拡大への懸念からリスクオフの動きが強まる中で、株式相場が急落したことから原油も軟調な推移となった。また、西ヨーロッパ最大の油田であるノルウェーのヨハン・スベルドルプ油田の生産量が拡大する見込みであると報じられたことや、リグ稼働数が先週比10基増となっていたことも重しとなった。

 先週は米大統領選の動向を見据えての展開となる中で、株式市場が急騰したことやドル安が支えとなり原油も堅調な推移となった。週明けは米ISM製造業景気指数などの経済指標が好調だったことや、株式市場が前週に大きく下落した自律反発の動きで上昇したことから原油も買い戻し優勢となった。翌3日はバイデン氏勝利との見方から大規模な財政出動への期待感が高まり株価が上昇したことや、OPECプラスが来年以降の減産強化を検討していると伝わったことが支えとなり堅調な推移となった。欧州を中心にコロナウィルスが再流行している中で、ロックダウンや経済活動の抑制が続けばエネルギー需要の悪化が懸念され、現行の減産体制の維持だけでは相場を支えられないと懸念されている模様だ。翌4日も引き続きOPECによる減産強化への期待が相場の支えとなったほか、EIA統計において原油在庫が予想外に大幅減少したことが好感され上昇した。週末にかけては、コロナへの懸念や大統領選をめぐる不透明感が重しとなると、戻り売りの動きから上値重い推移となった。

原油チャート

 来週の原油相場は方向感を探る展開が想定されそうか。米大統領選はトランプ大統領が複数の州で票集計の差し止めを求め提訴する姿勢を示すなど長期化する恐れもあるが、バイデン氏勝利と報じられる中で大規模な財政出動への期待感が高まっており、株高、ドル安進行など金融市場全体にリスクオンの動きがみられている。また、OPECプラスが来年からの減産強化を検討していると伝わったことも原油の支えとなった。ただし、新型コロナウィルスの影響で石油需要の後退が懸念されていることや、リビアの増産などは重しとなっており、買い一巡後は戻り売りに押された。また、バイデン氏が当選し、同氏が掲げるイラン核合意復帰や環境規制の強化が進められれば中長期的には原油市場の重しとなる可能性も考えられる。足元では強弱まちまちとなる中で、目先はWTIベースで35~40ドル内でのレンジ相場が想定されそうだ。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長代理として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。