[Vol.955] プラチナ相場はVW問題発覚前の水準まで回復

著者:吉田 哲
原油反落。米主要株価指数の反落などで。64.39ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの低下などで。1,729.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は15,150元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年05月限は416.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで521.2ドル(前日比1.5ドル拡大)、円建てで1,854円(前日比27円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月16日 19時9分頃 先限)
6,079円/g 白金 4,225円/g
ゴム 272.5円/kg とうもろこし 30,050円/t

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「プラチナ相場はVW問題発覚前の水準まで回復」

前回は、「プラチナ相場は昨年11月以降、およそ40%の上昇」として、昨年11月2月から3月12日までの、各種銘柄の騰落率を確認しました。

今回は、「プラチナ相場はVW問題発覚前の水準まで回復」として、長期的なプラチナ価格の推移を確認します。

プラチナ相場は、以下の図のとおり、2020年11月以降の上昇の最中、“フォルクスワーゲン問題”発覚前の水準まで回復しました。

2015年9月、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンが違法な装置を使い、不正に排ガス浄化装置のテストを潜り抜けていた問題(フォルクスワーゲン問題)が、米環境保護庁の発表で発覚しました。

当時、この問題発覚により、ディーゼル車の生産台数が激減し、同車の排ガス浄化装置に用いられるプラチナの需要が激減し、プラチナの価格が急落する懸念が生じました。

実際には、欧州における自動車排ガス浄化装置向けの消費量は激減しておらず、当時の懸念は杞憂だったわけですが、一般の人でもプラチナ相場が下落するシナリオを描きやすかったことも手伝い、この問題発覚は、プラチナ相場の長期的な上昇を阻む重石(呪縛)のような存在となっていました。

その意味では、足元の価格上昇は、プラチナ相場がフォルクスワーゲン問題の呪縛から解き放たれたことを示唆しているようにも見えます。

図:NYプラチナ先物価格推移(中心限月 月足 終値) 単位:ドル/トロイオンス


出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。