[Vol.954] プラチナ相場は昨年11月以降、およそ40%の上昇

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。65.72ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの低下などで。1,727.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は15,115元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年05月限は428.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで508.35ドル(前日比11.15ドル縮小)、円建てで1,816円(前日比27円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月15日 19時11分頃 先限)
6,064円/g 白金 4,248円/g
ゴム 272.8円/kg とうもろこし 29,910円/t

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「プラチナ相場は昨年11月以降、およそ40%の上昇」

前回は、「純金積立ではどの値動きのパターンが有利か[4]」として、3つの値動きのパターンごとの月ごとの保有数量の推移、そして保有数量の他、積立投資に重要な“取引を終える時の最終的な価格”について考えました。

今回は、「プラチナ相場は昨年11月以降、およそ40%の上昇」として、昨年11月2月から3月12日までの、各種銘柄の騰落率を確認します。

以下のとおり、プラチナ価格は、昨年(2020年)11月の、バイデン新政権と有効性の高い新型コロナ向けワクチンの誕生を機に発生した強い期待先行相場“バイデン・ワクチン相場”発生以降、およそ40%も、上昇しています。

米国の主要企業が投資をしていることが公表されたことを機に、もはや異次元ともいえる値動きになっているビットコインや、ビットコインと同じ暗号資産のイーサリアムを除けば、上昇率の高さは、主要銘柄の中では原油に次ぐ、2番目です。

また、直近で史上最高値を更新しているNYダウ(21.7%)だけでなく、アジアや欧州の主要株価指数の上昇率をも上回っています。

全体的には、この間(2020年11月2日から2021年3月12日)、主要株価指数、通貨、コモディティ(商品)、暗号資産(仮想通貨)の4つのジャンルを横断した、合計25の主要銘柄のうち、下落したのはドルと金(ゴールド)のみで、それ以外は上昇しました。

今年に入り、米国の長期金利の目安とされる米10年債利回りが上昇し、景気の過熱感や債券相場の動向への懸念が取り沙汰される中にあっても、バイデン政権やワクチン流通への強い期待が持続していること、米国の金融緩和が継続していること、米国で追加の経済対策が実施されることになったことなどが、ジャンルを横断したリスク資産の価格を上昇させていると考えられます。

図:ジャンル横断騰落率ランキング(2020年11月2日から2021年3月12日まで)


出所:マーケットスピードⅡなどのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。