【これからの見通し】イタリア政局へのショックは一服、きょうは米経済指標多し

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】イタリア政局へのショックは一服、きょうは米経済指標多し

 昨日の海外市場ではイタリア政情不安を受けたショック相場は落ち着き、リスク回避の巻き戻しの動きが広がった。きょうもイタリア債利回りがやや低下して取引を開始しており、昨日と同様の状況でスタートしている。

 イタリア政局については情報が錯綜しており、まだまだ不透明感は高い。現状では反EU派であるサボナ氏の財務相指名は拒否されており、次の段階を模索している。7月末にも再選挙が行われるとの観測も流れたが、サボナ氏を別の役職で入閣させる案が報じられている。一部報道では外務相との声も上がっているようだ。財務相でなければ市場は安心するのかどうか、まだ不透明といわざるを得ないだろう。このあとの欧州・ロンドン市場ではイタリア債や株式の動向が引き続き注目されよう。

 経済指標発表は米国関連が目白押し。米PCEデフレータとコアデフレータ(4月)、米新規失業保険申請件数(5月26日までの週)、米個人所得と個人支出(4月)、シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(5月)、米中古住宅販売成約指数(4月)などの発表が予定されている。昨日の第1四半期の米GDP改定値では個人消費の伸びが下方改定されていたが、第2四半期に入ってからの消費動向はどうか。個人所得と個人支出の伸びが注目されそうだ。

 また、米金融当局者の講演では、ボスティック・アトランタ連銀総裁とブレイナードFRB理事が金融政策や経済について発言する予定となっており、FOMC議事録やベージュブックの内容を踏まえた見通しが注目される。インフレオーバーシュートの容認やイールドカーブ逆転への懸念、中立金利の水準などがどうか。

 その他の材料としては、各時間帯に経済指標発表がちりばめられている。ユーロ関連では、ユーロ圏失業率(4月)、ユーロ圏消費者物価指数速報値(5月)が発表される。消費者物価速報は前年比+1.6%に上昇する見込み。前日のドイツ消費者物価と同様の傾向が示されそうだ。カナダでは月次とともに四半期ベースのGDPが発表される。前日のカナダ中銀声明ではタカ派色が優勢だった。3月と第1四半期のGDPの伸びが強気材料となるかどうか注目したい。

minkabu PRESS編集部 松木秀明   

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