ダウ平均の下げでドル円は110円台に再び下落=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って戻り売りが強まっており110円台に再び下落している。前日は上値抵抗が強かった111円を回復したもののなお上値が重い印象だった。きょうはドル安の動きが上値を抑えているほか、前日のダウ平均が300ドル超の大幅高となったにもかかわらず、本日の日経平均が下げたことも重しとなっていた模様。

 そのような流れの中、米株が利益確定売りに押されていることで一旦見切売りが出ているようだ。

 早期に111円台を回復できなければ、再び110円割れを試す可能性もあり警戒される。景気の先行き期待感から米株式市場は最高値更新が続いているが、明らかに高値警戒感は強まっている。冷や水が欲しいところでもあり、一旦調整が入っておかしくはない。そのときにドル円が値を維持できるか注目となろう。

 また、市場では楽観視しているようだが、米政府機関閉鎖のリスクも皆無ではない。トランプ大統領は一部閉鎖は「起こり得る」と述べ、その場合、野党民主党が非難されるべきだと語っていた。民主党に圧力をかけ譲歩を促す狙いとみられる。

 与党共和党は2月16日まで約1ヵ月間のつなぎ予算を編成して政府閉鎖を回避したい考えだ。民主党は予算に合わせ、子どもの時に親に連れられ不法入国した若者らの救済策を講じるように要求し、反対する共和党と対立している。現行のつなぎ予算は明日19日に期限が切れる。

 ユーロドルは底堅さを堅持。戻り売りから1.21台に下落し、東京時間の早朝には一時1.2165ドル付近まで下落する場面も見られた。しかし、下値での押し目買い意欲は依然として強く1.22ドル台に戻している。

 ユーロはやや上げ一服の感も出ているが、今週はECB幹部から直近のユーロ高をけん制する発言が相次いでいる。ただ、一部からは実効為替レートでのユーロ高は緩やかな上げに留まっており、ECBが警戒を強めるレベルにはまだ達していないとの指摘も聞かれる。貿易量の多い対ポンドでは上昇していないためであろう。

 ただ、来週のECB理事会は要注意だ。ユーロに関しては目先の最大の注目イベントだが、特にガイダンスには変化はないと見られている。しかし、ドラギ総裁の会見がこれまで通り慎重姿勢を強調するようであれば、ユーロは調整が入るリスクも警戒される。景気自体は好調だが、足元のインフレはまだ目標に向かう気配までは見せていない。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美 

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