きょうのNY為替市場はそれなりに値動きはあったものの方向感は無い。感謝祭を控えて市場参加者も少なくなる中、まとまったフローに左右される相場展開が見られていた。 この日は10月の米中古住宅販売件数が発表され良好な内容が示されたが、このところの市場は米住宅指標に対する反応が鈍く為替市場でも反応はさほど見られなかった。 序盤にドル円は突如売りが強まり、112円台半ばから112.20付近まで急速に下落。特段の売り材料は見当たらなかったが、112.50水準より上が重かったことから短期筋が見切り売りを出したのかもしれない。ただ、112円を割り込むことはなく下げを取り戻している。前日に112円台が強固にサポートされたことで下値ではショートカバーも出るようだ。 一方、米株は最高値を更新しているもののドル円の反応は鈍い印象。112.50水準を超えると上値が重くなり113円を目指す動きはいまのところ見られていない。先週の大幅な下げで下向きトレンドが出始めている。100日線が控える111.70近辺や10月13日安値111.50水準はなお意識される状況に変化ないものと見られる。 ユーロドルは序盤に一時1.1710付近まで下落したものの、1.1715付近にきている10日線の水準は維持されている。1.1685付近には21日線が来ているが、1.17ちょうど付近に接近すると押し目買い意欲も根強い。一方で1.1740/50水準では上値が抑えされる状況。 週初からユーロは戻り売りが強まっているが、ドイツの政治混迷が材料視されている。ただ、意外に市場の雰囲気は楽観的でメルケル政権の終りとの見方は大袈裟との認識が多い。メルケル首相は少数与党よりも再選挙が望ましいと言及していたが、逆に自信の表れとの受け止めもあるようだ。市場は今回の政治混迷で好調なドイツ経済に支障が出るとまでは見ていない模様。 ポンドも方向感のない値動きが続いており、ポンドドルは1.32台で振幅。この先のポンドに関してはEU離脱交渉次第との見方が多い。以前ほどネガティブな見方は後退しているものの、警戒感は根強い。年内に交渉がまとまるようであれば、1.35を目指す展開、そうでなければ1.28台との見方でほぼ一致。最大のリスクはメイ政権といったところ。 明日はFOMC議事録が公表されている。12月利上げ期待を後退させる内容にはならないものと見られるが、インフレに関してはFOMCメンバー間の相違が出るものと予想される。今回の議事録に市場がどの程度の反応を見せるかは未知数だが、一応、インフレに対する見解の相違がどの程度なのかは確認しておきたいところではある。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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