ドル売り一服も上値は重い ドル円は一時112.50付近に下落=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場はドル売りが一服している。朝方発表になった米消費者物価指数(CPI)や小売売上高は予想を上回る良好な内容となった。CPIのコア指数は前年比1.8%と1月以来の上昇で米利上げ期待を裏付ける内容と思われるが、為替市場の反応はドル売り。今回の指標を機にドルロングを大量に処理する動きが出たのかもしれない。

 ただ、動きが一巡すると、指標を再認識する動きも出ているのか、ドルの買い戻しが強まっている。ドル円は指標発表直後に112.50付近まで下落していたが、113円台に戻す展開。

 しかし、きょうの下げでテクニカル的には上昇トレンドに黄色信号が点灯している。21日線からも下放れしており、10日線と21日線のデットクロスも示現しそうな気配だ。

 米税制改革法案への不透明感が依然として根強い。明日米下院共和党が自身の法案で投票実施を予定しているが、上院と下院でそれぞれ個別に法案を可決した後に、両院が協議とも言われているなか、ドルの上値はしばらく重い可能性はありそうだ。

 ユーロドルも一時1.1860近辺まで上昇したが、その後は戻り売りに押され1.17台に伸び悩んでいる。ただ、前日の急伸で買いのサインが出ており、再びユーロに資金が集まり出しているとの指摘も聞かれる。きょうは実需買いも観測されていた。

 前日発表になったユーロ圏やドイツのGDPが景気回復を裏付ける内容だったが、一部からはユーロ発足以来最も景気回復を鮮明にする動きがこのところ見られているとの見解も出ている。ECBは慎重姿勢を堅持しているものの、来年の9月で量的緩和拡大は停止されるとの期待もあるようだ。

 前日からきょうにかけての急上昇で100日線を上放れる展開が見られている。日足チャートも逆三尊を形成しており、テクニカル的には買いサインが点灯といったところではある。目先の上値レジスタンスとしては、10月12日高値が1.1880付近、更にフィボナッチ61.8%戻しが1.1895付近にあり意識される。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美 

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。