【来週の注目材料】緩和姿勢を確認<豪中銀政策金利発表>

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 今週の日本・米国・英国の政策金利発表に続いて、来週は7日に豪中銀、9日にNZ中銀の政策金利発表が予定されています。
 ともに現状金利の維持で市場の見通しは一致しています。

 今回は豪中銀について見ていきます。

 豪州は直近の景気回復動向がしっかりしいますが、豪中銀は緩和姿勢の維持姿勢を崩していません。
 前回9月の理事会での声明では、懸念されていた住宅価格の上昇に関して、「シドニーを中心に状況が緩和しつつある兆候」と過熱感が収まってきたことに言及。
 融資抑制策の効果で、一時の都市部のバブル的な状況が収まってきたことを示しました。
「非鉱山投資の見通しがこのところ改善。事業状況も高い水準」と、景気回復傾向を示したものの、「賃金の伸びは低調」「当面低い賃金の伸びが続く可能性が高い」と賃金上昇の弱さに言及しており、当面金利を引き上げる雰囲気がありません。

 10月25日に発表された豪州の第3四半期消費者物価指数(CPI)は、第2四半期の前年比+1.9%から+2.0%に伸びるとの事前予想に反して、+1.8%とまさかの鈍化。
 刈込(トリム)平均でも前期の+1.8%から+2.0%にしっかり伸びるとの予想に対して、+1.8%と第2四半期と同水準の伸びにとどまり、物価上昇傾向が見られず、金利据え置き見通しを強めています。

 また、豪中銀のデベル副総裁は、10月26日に行った講演で、消費者物価指数は構成する財のバスケット調整の遅れがあり(要はより安い類似商品への購買層の移行などの調整が遅れる)実際の物価はCPIよりも弱い可能性があると発言。
 現状のCPIでも弱めであった利上げ期待が更に後退する結果となっています。

 こうした状況から据え置きを完全に織り込んだ状況。注目は声明内容となりそう。
 豪ドル高牽制の姿勢をどの程度示すか、物価上昇が落ち着いていることをどのように表現するかなどがポイントとなりそうです。

minkabuPRESS 山岡和雅 

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