ドル売り優勢 下院は法人税減税に関して段階的導入を検討との報も=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場はドル売りが強まっており、ドル円は113円割れを試す動きが見られている。一部報道で、トランプ大統領の税制改革の目玉である法人税減税に関して段階的な導入が検討されていると伝わったことが嫌気されているようだ。

 法人税を現在の35%から20%への引き下げについて下院が協議に入っており、素案として2018年から2022年までの5年間で毎年3%づつ引き下げる案が検討されているという。

 月末を控える中、きょうはこのところのドル高の調整も出ていたが、この報道で動きが加速している格好。

 ドル円は先週の安値113.25を下回ってきており、113円ちょうど近辺まで下げ幅を広げている。上記の報道で米国債利回りや台平均が下げていることも圧迫しているようだ。ただ、下値では本邦機関投資家などの買いオーダーも観測されており、いまのところ113円台は維持されている格好。

 一方、ユーロドルはNY時間の朝方に発表になったドイツの消費者物価指数(HICP)速報値が予想を下回ったことで、序盤は戻り売りが優勢となった。発表後に1.16ちょうど付近まで下落したものの、上記の報道もあり1.16台を維持している。

 ただ、きょうのドイツHICPは先週のECB理事会の慎重姿勢を裏付ける内容ではあった。ECBは資産購入額を月300億ユーロに減らし、1月から9月まで量的緩和(QE)拡大を続ける政策を打ち出している。ただ、市場ではQE拡大は資産購入額こそ減るものの来年一杯は続き、次のステップである利上げは2019年以降との見方も出ている。

 ドルの地合い次第ではあるが、短期的には1.15ちょうどを試すとの見方も根強いようだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美
 

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