きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となっている。特に悪材料はないが、米国債利回りも下げ、米株も上げ一服となったことから利益確定売りが強まった。 今週はECB理事会や米GDP速報値の発表、そして、FRB議長人事が発表される可能性もあり、きょうはその行方を見守りたい雰囲気も出ている。 ドル円はNY時間に入って戻り売りが優勢となった。前日の衆院選で安倍首相が大勝したことから、週明けのドル円は買いが優勢となった。日経平均の大幅高も手伝って、一時114円台まで上昇。しかし、114円台での上値抵抗はさすがに強く、その後は113円台での推移が続いていた。終盤に入って米株が軟調な動きを見せていることから、見切売りも出てドル円は113台前半まで下げ幅を広げている。 移動平均からの上方かい離も見られており、ここでの利益確定売りは致し方ないところではある。ただ、底堅さは堅持している印象。市場には大きな心理的節目の115円を目指すとの見方も強まっている。しかし、114.50付近から上にはシコリも多く上値抵抗も強そうだ。 ユーロドルはNY時間に入って下げは一服したものの上値は重く、1.1750付近での推移。強いサポートとなっている1.17台前半の水準を試す動きも見られたものの、その水準はサポートされている。 今週はECB理事会も控えており、その動向を巡って神経質な展開も見られる。ECBが出口戦略に舵を切ることは確実視されているものの、来年以降の具体的な計画に関しては見方が様々出ており、なかなかコンセンサスが見つけにくい。また、反応についても様々見方が出ているようだ。 そのような中、カタルーニャ情勢が更に緊迫化してきている。自治州のプチデモン首相は27日にも独立宣言の強行を検討しており、その直後に選挙実施を呼び掛ける考えとの報道も伝わっている。スペイン上院は憲法155条に基ずく自治権停止について、27日に採決する予定。 ただ、一部の世論調査では選挙になってとしても、独立派は過半数を獲得できないとの調査も出ている模様。カタルーニャ州の市民の中でも意見が分かれているようだ。 ポンドドルもNY時間に入って買戻しが優勢となったものの、上値は重い。ただ、100日線の水準は維持しており、中期的には上向きの流れを維持している。本日の100日線は1.30台半ばに来ており、目先の下値サポートとして意識される。一方、上値は21日線が1.32台半ばで推移。 先週はEU首脳会談が開催され、メイ首相も参加して離脱交渉の協議を行ったようだ。ただ、離脱に伴い英国がEUに支払う負担金の交渉で物別れになっている状況。一部には、中期的にこの負担金の額がポンド相場に影響する可能性があるとの指摘も聞かれる。 今週は英GDP速報値が発表される予定。予想では前期比で0.3%が見込まれている。予想通りであれば3四半期連続で0.3%の伸びということなり、景気鈍化傾向が一層鮮明になる。市場では来週の英中銀金融政策委員会(MPC)で利上げが見込まれているものの、結果として間違った行動になるのではとの見方も聞かれた。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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